現役医師が明かす、信頼できる医者かどうかを見分ける簡単な方法

 

延期処方のすすめ

最近スペインで、風邪疑いの成人患者の延期処方の安全性を検証する研究が発表されました。その結果によると、風邪疑いに延期処方を行った群と全員に最初から抗菌薬を処方した群の間に、重症化や欠勤、欠席、患者満足度の項目全てで、有意な差はありませんでした。つまり、延期処方の安全性が確認されたのです。

この研究ではまた、全員に最初から抗菌薬を処方した群では、ほとんどの患者が抗菌薬を内服していましたが、延期処方群では、最終的に内服した人々は少数派でした。延期処方は安全であり、抗菌薬処方を減らす効果がありますので、薬剤耐性菌の出現予防に有効であると思います。もともと日本の医療システムは、アクセス世界一であり、かかりつけ医への受診は比較的簡単にできます。

風邪疑いなのでまずは様子をみてみましょうと言ってくれる医師は、線の医療を実践しており、信頼性の高い医師であると考えられます。そのアドバイスに従って、もしも症状が増強していく、又は悪化していく、などがあれば、すみやかに再受診して、抗菌薬が必要な病気の可能性が高いかどうか判断をしてもらってから処方を受けるとよいでしょう。多くの風邪疑い患者さんが線の医療を受けるようになれば、抗菌薬使用は全体でかなり減少していくものと思います。

文献

Spurling GK, Del Mar CB, Dooley L, Foxlee R, Farley R. Delayed antibiotic prescriptions for respiratory infections. Cochrane Database Systematic Review. 2017 Sep 7; 9: CD004417.

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