中東地域の米軍撤退
米国は2正面作戦を行わない。今までは中東戦争が近いと見ていたが、米中の軋轢が大きくなると、中国への圧力増強のために、太平洋に艦船を集めることになり、中東での戦争はできないことになる。
米軍はシリアから撤退準備をしているし、アフガニスタンではタリバンと直接交渉をして、撤退する方向のようである。
そして、イスラエルがロシアに要請していたが、ゴラン高原にロシア陸軍を配備して、イスラエルとイラン軍の衝突を防止するという。チェチェン地域のゲリラ対応ロシア軍を配備して、イスラム教徒の軍人を派遣した。当分、イラン軍とイスラエル軍の衝突は無くなる。
しかし、イランは今、イエメンでのフーシ派対サウジアラビア軍との戦いやホルムズ海峡付近に集中したいので、ロシアの提案を受け入れたようである。フーシ派は、マンデブ海峡でサウジのタンカーにミサイル攻撃し、イラン軍は大規模演習をホルムズ海峡周辺で行うという。
中国はイラン産石油を大量に輸入している。米国は中国にイラン産原油の輸入停止を要請しても中国は拒否し、貿易戦争の状況では、この問題では折れるわけにはいかない。中国は米国に2正面作戦を行わせようとイランを支援する。このために、米国産LNG輸入にも25%の関税を掛け、イラン産原油の輸入を増加させている。
欧州もイラン核合意を破棄しない政策を維持しているが、米国の制裁を恐れて、欧州企業の多くがイランから撤退している。それに代わって中国企業がイランに押し寄せている。中国とイランを組ませているのは米国という状況である。
米中の覇権競争は、いろいろな所で激しくなっているようだ。しかし、8月上旬北戴河秘密会議が始まっている。この結果で、中国は大きく政策が動く可能性がある。
日米貿易協議
8月9日から日米貿易協議が始まる。日本は米インフラに1,000億円の投資を行うと申し出るようである。その代わりに自動車への25%関税を回避したいのである。しかし、米国は関税の代わりに、日米FTAの締結を志向している。
特に農産物・畜産物の自由化を推進するのが米国の要請であり、特に大豆の消費が多い日本は、中国代替の大きなターゲットである。
さあ、どうなりますか?
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