進む世界の米国離れ。トランプが「拡大と発散」戦略で向かう滅亡

 

世界システムの変更

中国イラントルコロシアに上海協力機構参加国でもあるインドまでもが結束し始めている。欧州、特にドイツは、イラン核合意を維持するために、ドル基軸通貨制度を変革して、ユーロ、人民元、ルーブルなどを使った国際決済制度を作るべきであると言い始めている。

米国はイランと経済関係がある世界の企業に対して、ドル基軸通貨制度の根幹であるドル決済システムを使わせないとした。ドイツなどのイラン核合意維持国は、欧州企業がイラン制裁に参加させないためにも、このことの対応策を構築する必要になっているのだ。

このような動きで出て、米国のドル基軸通貨制度崩壊にもつながるか、少なくても、ドル基軸通貨制度の弱体化にはなる。そして、外貨準備をドルで持つ国が少なくなる。

日本も現時点では、対中、対北朝鮮で米国の味方であるが、米国の自動車輸入への関税で立場を変える必要が出てくる。米国の孤立化が明確化するからだ。

普遍的な思想へ

米国の孤立化は、自由貿易を維持・発展させたい世界と日本に大きな変革を起こすことになる。米国中心の世界システムから米国抜きの世界システムに再構築せざるを得ない。

自由民主主義国で、自由市場経済の推進者として日本は立ち位置を明確化していく必要がある。そのための明確な思想や主義を打ち立てることも重要だ。

もちろん、中国のような中国の夢という排他的な主義は、世界が受け入れないので、世界に受け入れられる普遍的な主義を構築することが必要になっている。

このためには、日本の神道を普遍化することが必要である。言上げしないことが神道であるというが、それでは世界に伝わらない。

日本の精神でもある「利他」や「相見互い」「わびさび」「和」「労働の価値」などの考え方を思想化することである。クールジャパンの根幹の思想を明らかにするとも言える。

しかし、トランプ大統領が中間選挙で負け弾劾裁判になり、米国も再度、正気に戻る可能性もあるが、日本精神の思想化の試みをするべき時に来たように思う。

さあ、どうなりますか?

image by: shutterstock

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