あえて言おう。年金は、様々なリスクに対応した「終身保険」だと

 

ひと昔前は、親子三世代の大家族で、高齢になった親御さんの面倒はその子供が見るという時代だった。少子化が進み、そういう大家族の機能が働かなくなったし、核家族化も進んで、子は大人になれば上京していくし老後への不安が高まっていきました。昭和34年に国民年金ができたのも(昭和36年4月から今のように保険料支払うタイプの国民年金が始まった)、そういう老後の不安が高まってきたから

今ではだいぶ年金は嫌われ者ですが、昭和36年4月に国民年金がなぜできたかというと国民が年金を作ってほしいという要望が凄く高まってきたため。国民が年金を望んだんです。

昭和33年の総選挙の時には当時の与党だった自民党と、野党の社会党の両党ともに「国民年金創設が最大の選挙公約でありました。投票率がほぼ80%(79.99%)に至り、自民党が社会党に勝利して早速その翌年の昭和34年には国民年金ができた。未だかつてこんなに投票率が高かったことは無い。あの旧民主党が政権交代した時でさえ69%くらいだった。

さて、昔の人は自分で自分の配偶者や子供の収入だけでなく両親の生活の負担も見ていたけども、段々そういう私的な負担自分の収入で親の面倒を見るが時代の変化と共に公的な負担公的年金へと変わっていった

昔の人は少ない保険料しか納めてないのに貰える年金は多くて、今の若い世代は保険料は高くて貰える年金は少ないというのは不公平だ! って時々話題になる事がありますよね。しかし、時代の変化と共にそういう私的な負担から公的な負担へ変わっていった事を考えればこういう世代間不公平論は全くの誤り。

そもそも、年金は老齢という長生きするリスクに備えた保険であるために、損得論というのがあまり意味をなさない。一応参考程度に損益分岐点を記事に書いたりはしますが、「結局、だから何なんだろうね…」という気持ちになります。

で、長生きって良い事なんですが、保険としてはリスクなんですよ。年を取ると収入を得る体力が無くなっていきますし、雇用もされなくなっていく。病気がちにもなる。

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