【書評】習近平が提唱した新都心「雄安」は今どうなっているのか

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習近平国家主席が提唱した中国の新都心「雄安」ですが、その現状を調べてみると大変な事実が明るみになったそうです。今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』では、そんな情報を網羅した中国滅亡論を展開し続けている著者の最新刊を、編集長の柴田忠男さんがレビューしています。

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習近平の死角 独裁皇帝は間違いなく中国を自滅させる
宮崎正弘・著 扶桑社

宮崎正弘『習近平の死角 独裁皇帝は間違いなく中国を自滅させる』を読んだ。中国だけでなくヨーロッパも取材している。アメリカについても評論している。著者はずっと前から(北京オリンピックの頃から?)中国滅亡論を展開し続けているような気がする。常に中国の現場レポートの最前線を行く人だ。

習近平がぶちあげた新都心雄安の建設は今どうなっているか水の供給が不能という驚くべき事実が、工事を始めて間もなく露呈した。地下水を汲み上げると地盤沈下に襲われる。既に北京の井戸は枯れ、用水を引いて凌いでいる。それと同じことになりそうだ。かつて麦畑、湿地帯だった建設現場では2018年5月現在、未だ道路が舗装されておらず、24時間の突貫工事が続行されている。

不動産ブームを継続し成長を維持するというお題目のもと、わずか1年で高層ビルが乱立。北京から西安へ120キロ、誰も相手にしなかった地方。「これは国内版シルクロード」「結末の惨敗ぶりを早く見たい」といったネットの書き込みはすぐに削除された。移転を強要された社会科学院などがお気の毒さま。

タイトルの中国関係は半分より少し多いだけである。後半は欧米の話題になる。EUの旗を振ったドイツはいま(リアル現在より少し前)どうなっているのか。メルケル独首相は女傑か、怪物か、それとも世界の破壊者か。こういう設問が出てくるのも、彼女の政策こそがドイツを危機に追い込んだからだ。ドイツはなぜ中国にのめり込むのか。習近平の独裁はどうでもいいのか。いいようだ。

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