年金保険料を半額免除や部分免除したら結局いくら受け取れるのか

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年金保険料を支払うことが経済的に厳しい方に適用される、全額・半額免除や部分免除。これらが認められた場合、受け取る年金金額にどれくらいの差が出てくるのでしょうか。今回の無料メルマガ『年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座』では著者のhirokiさんが、いつもどおりの明快な計算式を示しながら詳しく解説してくださっています。

意味がわかればカンタン! 税金と保険料の基礎年金への反映の考え方

最近消費税が8%から10%への引き上げへの話題が多いですよね。なんだか今決まったような騒ぎですが、もう旧民主党政権時の平成24年から決まった話であり、またその引き上げは平成27年10月という事になっていました。自民党が再度政権を奪還しましたが延期されてしまい、10%への引き上げは平成29年8月からという事になっていました。老齢の年金が25年以上の加入期間ではなく10年に短縮するけど、新たに発生する財源はその消費税引き上げと共に行われるはずでした。

平成29年8月に老齢の年金を貰う受給資格が10年に短縮されたけども、その時も消費税引き上げは突然延期されて今度は平成31(新年号元)年10月からとなりました。再々延期になったんですね。二度ある事は三度あるじゃないですが、あと1年先の事であり、正直その間何が起こるかわからないので本当に10%になるのかというのは何とも言えないという感じです。上げるって決めたのに、なんかじれったいというか…もうやるんだったらさっさとやってください!って思います(笑)。

今後日本は、2025年には社会保障給付費は今の120兆円→年金56兆円、医療39兆円介護福祉その他25兆円くらいから150兆円にのぼり、社会保障関係費税金から社会保障に回されるお金も今の30兆円から50兆円までに行くと見込まれています。なぜそんな近い将来に急激に社会保障給付が引き上がる見通しなのかというと、2022年あたりから2025年にかけて団塊の世代と呼ばれる最も人口の多かった世代の人(昭和22年~昭和25年生まれ世代の方)が75歳の後期高齢者を迎えていくからです。2025年問題とも呼ばれたりしてますけどね。

今の1年間の赤ちゃんの出生者数は95万人くらいですが、この戦後の第一次ベビーブームに生まれた団塊の世代の方々の出生数は毎年大体250万人~230万人前後でした。合計特殊出生率は3.6~4.5とかそのくらいだった。一人の女性が産む子供の平均数が4人くらいはあったという事。今は1.44くらい。

社会保障関係の費用が近い将来膨れ上がるのは、年金が膨れ上がるのではなくて、医療費が急激に上がってしまう事が要因です。年金はもう保険料は上限固定してその収入の中で給付をしていく形だからそんな急には負担増はしない。なので、年金はあまり上がらないように抑制されてる段階なので、どっちかというと医療費とか介護費の問題のほうが重大ですね。

高齢化率は2000年あたりから日本はトップとなりました。この時の高齢化率は17%ちょっと。それまではヨーロッパのスウェーデン、ドイツ、イギリスあたりが高齢化率は日本より高かったですが、その2000年時に日本がトップとなり、その後も日本はどんどん高齢化率が進んでいます。高齢化率トップの日本は2060年あたりに40%になってそれが推移していく見通しですが、その時の高齢化率2位はドイツ33%、フランスもしくはイギリスあたりが25%と推移するだろうとされています。日本はぶっちぎりなんですね。

ヨーロッパ各国は消費税率が20%以上が普通の中で、高齢化率がトップを走り続ける日本がたかだか10%程度の消費税で終わるわけがありません。よって、この消費税10%への引き上げというのは第1弾の改革にすぎず、日本は第2弾、第3弾の改革が避けられないと認識すべきでしょう。

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