いずれにせよ、人の心を変えることは、一筋縄ではいきません。丁寧に急がず合意形成を進めることが重要です。それによって、一つ目の理由での反対は防ぐことができます。二つ目の理由だったら…これは早めにあきらめることかな…。これは、しかたがないです。説得して追いつめてまで、一括受電にしなければならない理由はない…と私は思います。でも、この理由による反対は本当に少数です。管理組合があきらめて引いたことで、それはそれで反対者にとって、何となく居心地が悪くなって引越しをされたケースもあります。そういう解決もあるのです。
三つ目の理由の場合は、「自由への脅威」ではないことをきちんと示し協力をお願いすることで解決は見えます。数百戸のマンションで一括充電への切り替えができたところは、管理組合が経費削減に一生けんめい取組み、その一環としての一括受電という選択について、理事自らが丁寧に説明にまわって協力をお願いしています。
人にはそれぞれ、譲れないことがあるのです。反対の意見があっても当たり前ということを理解してその意見を否定せず受け入れ、確かによいことばかりではないかも知れないけど、管理組合の大多数の人の選択に協力してもらえないか…と謙虚に話すことではないでしょうか。
マンションの共用部分の管理や管理組合運営に関しては、多数決で決めたことに協力する…それは当たり前です。しかし、専有部分(自分が所有する自分の家)での暮らし方まで制限をするには、それ相応の理由が必要です。
最近の判例では、管理組合の団体的意思が尊重される傾向がありますが、それを拡大解釈して、専有部分の暮らし方まで強制するのは、どうなんだろう…と思ってしまいます。
そんなことをしなくても、目的を共有できれば、協力をお願いすることで反対者の承諾が得られるということは十分あると思います。どうか、方法を間違えないでほしいと願います。重要なのは、あくまで、自分の意志で協力する…ということです。「ブーメラン効果」、覚えておいてください。
一括受電に関しては、いくつか過去記事に書いています。
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