人はなぜ「勉強しなさい」と言われると勉強したくなくなるのか

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例えばマンションの居住者全員の合意が必要な場合に、徹頭徹尾反対意見を押し通そうとする方が少なからず存在するものです。なぜ彼らはそこまで頑なな態度を取るのでしょうか。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では著者でマンション管理士の廣田信子さんが、その理由のひとつとして「ブーメラン効果」なる心理現象を挙げるとともに、彼らの心を解きほぐす方法についても記しています。

説得されると余計に反発する「ブーメラン効果」

こんにちは!廣田信子です。

最近、全員の合意が必要な一括充電への切り替えにおける反対者への対応について聞かれることが続きました。このところ相談がなかったので、電力の完全自由化で既存マンションでの一括受電への切り替えは、ひと段落したかな…と思っていましたが、そうでもないのか、裁判になっているものもあるようです。

総会決議はしても、全戸の専有部分の電力供給先の変更承認が必要なので、結局のところ、理解を得られるようにして協力をお願いするしかないわけなんですが、人間には、懸命に説得されると余計に反発を覚えるという心理があるから厄介です。

デパートで洋服を見ていたら、店員さんが寄ってきて、「それ、お似合いですよ~」とか勧められるとなんか買いたくない気分になってその場を離れてしまう…そんなことありませんか。私はあります。下手だな~この店員さん「ブーメラン効果」って知らないの?…と思います。

「ブーメラン効果」とは、他人が自分をある態度に導こうと試みたときその行為や主張に反発を感じてかえって相手の意図とは逆の心理になってしまうことをいいます。勉強しろと言われれば、言われるほど勉強したくなるくなる…こんな経験はありませんでしたか。

で、やっかいなのは、自分が、勉強するつもりがなかったときより、自分でも勉強しなくちゃと思っているときの方が反発心が大きいことです。デパートでの買い物のときも、まったく買う気がなく見ているときよりも、「これ、いいかも…」とちょっと買う気が出ていたときに、「お似合いですよ~」なんて急に声を掛けられると、何か、気持ちがそがれてしまうのです。

私が、ちょっと興味を示している様子を見て、購入を後押ししようと思って、店員さんは声を掛けるのでしょうが、私にとっては、逆効果です。なぜか…店員さんは、基本、買わせたくて声を掛けるものと私自身が知っているので、「お似合いですよ~」を素直に聞けません。

しかも、私はその助言を店員さんに求めていません。私は、自分で選ぶのを楽しんでいるのです。そんなときに声を掛けられたら、誰かにコントロールされてものを買うのはいやだ、という抵抗心が出てきて、もう、その洋服は選びたくなくなるのです。

そういうと、私は、人のアドバイスを拒否する頑固者のようですが、実は、プロのアドバイスを受けてものを購入するのは大好きなんです。自分から、こういう洋服を探しているんだけど…といって、店員さんにセレクトしてもらうこともよくありますし、2つの候補で迷ったときには、両方を試着して店員さんの意見を聞いて、決断することもありますから。「ブーメラン効果」は、特別へそまがりの人だけに起こることではなくその状況によって、誰にでもあることなのです。

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