現役アナウンサーが解説。質問されたほうが話しやすくなる理由

 

ではその「横着ファイリング話法」の核心部分について、改めて解説していきますね。

論点を明確に、わかりやすく、迷いなく表現して、スッキリできる話し方は、まず、「今からどういう話をすべきか」「今から話すことに求められること、必要な情報は何か?」を、話し始める前に認識し、話す本人が自分で、話す範囲=枠を限定します。

話す範囲を絞っているので、その話に不要な情報には、端からタッチしません。つまり、データ量が多くて検索が重くなる、頭の中の情報の全てにはアクセスせず、「話の枠」という、質量の軽い小分け袋=空のフォルダーを用意して、空フォルダーに名前を付け、そのフォルダーに必要なファイルだけを集めてくるわけです。

また、話の構成も、空のフォルダーを、作ったり動かしたりすることだけで考えて、そのとき必要のない細かい情報にはタッチしないこと。例えば、皆さんお手持ちのパソコンのなかにあるデータの中から、一つのファイルを見つけようと、検索をかけたりすることはありませんか?WindowsパソコンならCディスクでしょうか、その全体から検索するとものすごく時間がかかりますよね。ですから検索スピード、効率を上げるために、検索する範囲を絞ります。話す時もこれと同じです。

  • その話で必要な情報以外の余計なことは極力考えない
  • 「話す意図」に集中する
  • ゴールに向かって突進する

こうやって文字にしてしまうと、馬鹿か!と思えるほどシンプルですよね。でも、何ごとも、真理に近いことほどシンプルになるものです。大事なのは、自分の思考・行動の原理原則を「自分でシンプル化」できるかどうか、だと思います。

自分で自分の思考・行動の原理原則をシンプル化すること、それをここでは「横着」と呼んでいます。話をしなくてはならない時には、とことん、横着をする、楽をすることばかりを考えてください。なぜなら、どんなに横着をしたって、話すべき本質は必ず付いてくるからです。

話は複雑化しやすいものです。膨大な情報をうまくまとめようとするより、絞り込んだ話の本質を膨らませることを考えるほうが、聞き手にとって理解しやすい話ができるのではないかと思います。

print
いま読まれてます

  • 現役アナウンサーが解説。質問されたほうが話しやすくなる理由
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け