中国に住む日本人が語る、日本を引き離す「労働力不足解消法」

 

そして窓口以外に自動発券機も登場し、窓口業務自体の労働を大幅にカット。またネットで予約し決済すれば窓口に並ぶ必要もありません。今、窓口に並んでいる人たちは私のような外国人(チケット受け取りのため)、ネット購入ができない年配の世代、紛失など理由があって身分証を持っていない中国人ていど。

小馴れた中国人は窓口に並ぶ時間がもったいないので自動発券機で発券。あっ、機械を信用できない人も窓口に並んでいます。以前は機械=壊れやすいが常識だったので、その気持もよく分かります。

実際はチケット発券しなくても決済が完了していれば身分証を改札口にかざすと通過できる所まで中国ではシステム化が完了できています。しかしチケット自身が「发票(fā piào・領収書)」の役割になっているのでビジネスで高鉄を利用している場合はチケット発券が現在は必須です。

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そのため身分証を使って改札を通過している人は、個人利用の場合が多いかも知れません。ただ紙の発票自体が電子発票へ一部移行をしているので、高鉄チケットも同じ流れに移行していく恐れもあります。

高鉄の窓口を例にしましたが身分証を利用する場所、例えば派出所などでも同様に読み取り機を使って運用を行っています。中国の派出所は日本の市役所や区役所の性質もあり、一般市民が訪れる場所ですが身分証提示すると読み取り機を使い手入力作業の省力化に努めています。

たかが一枚のカードですが、中国は極力担当者の作業負荷を抑え負荷分散できる点は分散して全体の作業を減らす動きが進んでいます。

日本の市役所ではいつまでも手のチェック。窓口業務だけに限っては中国の方が10倍から20倍ていど作業効率が早いように感じてしまいます。

日本では海外から労働力を確保する動きが盛んになりつつありますが、中国の流れは完全に違い、IoTやAI、自動認識、ロボットなどの技術を使い自動化や作業分散して、自国内で完結する流れになっている。根本的な考え方が日中間で大きく違っているようですし、海外からの労働力確保が難しくなった時、先送りな感じのある政策の日本ってどうやって対応するんだろうと、将来を考えると少し恐ろしく思ってしまいます。

image by: Shutterstock.com

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