Google、Apple、Netflixはなぜゲーム業界への参入を決めたのか?

 

業界再編の引き金はネットフリックス

そこに、映画やドラマをネットで動画配信する、業界大手のネットフリックスが、ゲームのイベントで、「番組や映画の世界観を広げたい」とゲーム業界への参入を発表しました。

もともとネットフリックスは巨額の制作費をかけて、自社オリジナルのドラマや映画を製作し人気を集めています。その中の人気ドラマを、ゲーム化するということで話題になっているのです。 ディズニー傘下のマーベルも、アベンジャーズのゲームを発売すると発表しました。これら「他の業界からのゲーム参入」があったこともあり、より大きな話題になりました。

この背景を考えてみます。日経新聞によると、昨年のゲームの市場規模は15兆円。ユーザーは22億人とのこと。これが10年で40億人にも伸びるということです。この背景には、ITの進化、モバイルの浸透、そして日本でも来年から始まる大容量のデータがやりとりできる通信規格5Gをはじめとするインフラの整備があります。

マーケティングの基本は、自社が優位に立てる市場を見つけてそこに商品やサービスを提供することになります。その際のいい市場の条件とは、

  • すでに大きい
  • 今は小さくてもこれから伸びる
  • そして「創る」ことができる

の3つです。 今、ゲーム業界はこれらに当てはまる状態です。ネットフリックスは、この状況に目をつけ、自社のオリジナルドラマをゲーム化しようと考えました。

このように、1つのコンテンツを、動画配信だけではなく、ゲームでも使用するという、1つのソースを複数のメディアにと応用することで、マルチユースする手法を、メディア・トランスフォーメーションと呼びます。 小説だったハリー・ポッターを、映画やゲーム、USJのアトラクションで活用することと同じです。

ゲーム業界再編から何を学ぶべきか?

こうなると新しく参入したいという企業が増えてきます。このメルマガでもよくいうように、市場が大きくなりライバル企業が増えると、その激しい競争の中から、ユーザーに選ばれることが難しくなります。 その際に大事なことは市場で「勝てる売り物」を出すこと。つまり、「自社のサービスでしか提供できない価値」を、見出し、提供することです。

このネットフリックスのオリジナルドラマや、マーベルのアベンジャーズなどの「キャラクター」は、自社独自のものです。ここにしかない、という意味で、十分選ばれるコンテンツです。コンビニのPBを目当てに、そのコンビニに行くようなものですよね。
マーケティングの基本は、「美味しい市場」に「勝てる売り物」をだすこと。これからが楽しみなゲーム業界。注目します。

image by: Shutterstock.com

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