では、実際、感性を活かしてネーミングやキャッチコピーを作るにはどのようにしていけばいいのか?ってことですが…、そこで必要となるのが、マーケティングリサーチです。
マーケティングリサーチというと、お客さんの属性は?とか、この商品は20代~30代のお客様に受け入れられるか?どの時間帯(あるいは地域など)だとこの商品が売れるか?など、データ収集のイメージを持たれると思いますが、商品のネーミングやコピーを考える場合、お客さんの感性を知る、という目的で行うことが必要です。
つまり、Aという商品のキャッチコピーを考える際に、机上やPCで情報検索しながらあれこれ考えるのではなく、実際にAという商品の類似品、同一カテゴリーの商品を置いている現場へ行き、それを手にするお客様に「なぜそれを手に取ったか?」を取材してみることです。最低でも50人くらいのアンケートをとってみると統計が取れるはずです。
商品を手にしたきっかけが何なのか?どのようなお客様が手にし、なぜ手にしたのか?具体的に見るということです。たとえば、Cという高級チョコレートを新たに販売する予定でキャッチコピーを考えなければならないとします。市場では、既に同様のチョコレートAとBが売れています。AもBも同じ値段で、中身もほぼ同じ。ただパッケージだけが違っています。
Aの方は「甘さ控えめ、本格ビター」、Bの方には「苦味のある大人の味」と書いてあり、Aはワインレッドカラーのパッケージが特徴的、Bは茶系の高級感あるパッケージが特徴的。A、B、どちらが良いとか悪いとかではなく、Aを手にした人もいればBを手にする人もいる。その双方に商品を選ぶポイントや、どういうときにチョコレートが 欲しくなるか?などを具体的に聞いてみるのです。
Aを手にした人には、ワインレッドのパッケージの色に惹かれた人もいれば、甘さ控えめと書いてあるのが決め手。という人もいる。Bを手にした人は、大人な味、ってどんな味?と気になったという人が多かった。また、「チョコを欲しいと思うときは?」という質問に対しては、習慣になっている人もいれば普段は食べないけど、月に1回程度は欲しくなるとか、洋酒が好きで、そのおつまみとして、など様々な意見が出たとします。
こうした生の取材から、キーワードを抽出することではじめてCのネーミング、キャッチコピー、パッケージのヒントを見出すことができるのです。つまり、自分の今ある感性だけで、「高級チョコレートならこうだろう」というようなネーミングやコピーは当てにならないということです。実際に、お客さんの感性に触れることが何より重要なのです。
商品のネーミングやコピーを考えるとき、目の前にいるお客さんと話しをしてみましょう。それだけで感性が磨かれ、ヒントがたくさんあることに気がつくでしょう。
■今日のまとめ
「商品のネーミングやキャッチコピーにはテクニックではなく感性が必要」
- 感性を磨き続けるために普段からどのような工夫ができるか?考えノートに書き出す
- 書き出したことを日々実践する
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