このような、110ヘルツに秘められた謎のエネルギーについて、あれこれ言い始めると、せっかくの興味深い内容が、怪しくなってしまいますから、ここで、私なりの結論的な話に移りますね。
まず、人の声を含めた音というのは、波であり、エネルギーであるということ。共鳴という現象によって、音は増幅されるということ。私の仮定では、声を共鳴させて増幅させるような仕組みが、古くから利用されていたのではないか?ということ。
では、何のために声を増幅させていたのか?と考えれば、それは、「聞き手に影響を与えるため」に他ならないのではないでしょうか?
もちろん、音を発している本人がトランス状態になるため、などの理由も考えられなくもありませんが、ひとりがそうなることよりも、より大勢の人間に影響を与えられることのほうが、労力を費やして作られた装置の存在意義としてはふさわしいと思います。
そしてここで、大事なポイント。それは、誰が誰に対して影響を与えるために、声を増幅させるのか?ということです。もちろんそれは、ひとりあるいは少数の上に立つ者が、複数の下の者に対して、でしょう。これは、普遍的な法則ではありませんか?
この上に立つ者というのは、昔で言えば、長(おさ)、長老、シャーマン、聖職者、統治者なのかもしれませんし、現代で言えば、単にリーダーや人間関係の目上に当たるというだけではなく、その時々の情報の発信者、情報の上流に位置する存在、も当てはまると思います。
そういう存在の人が、聴衆に影響を与えるために、まず考えるのが、声を響かせ、増幅させること。なんですね。そして、聴衆の脳に一番しっくりくる周波数を響かせれば、〇〇ができる。〇〇の中には、どんな言葉が入るのか、あえて書きませんので、ご自由に当てはめてみてください。
110ヘルツの音に声を重ねる練習法
さて最後に、上記の110ヘルツを聞きながら、自分の声を重ねていく練習法について。
110ヘルツは人間にとって、なんらかの意味がある音だとは想像できますが、110ヘルツに限らず、発声練習において、既に存在する音波に合わせて、自分の声を重ねて、自分の耳で聞く練習は、とても感覚が研ぎ澄まされ、声を出すほうはもちろん、音を聞く耳も良くしてくれます。
発声発音練習のために、音楽を聴きながら歌うというような手もありますが、私はそれよりも、上記のYouTubeなどの音声や、楽器で出した音など、一定のトーンで鳴り続ける音階に合わせて発声するほうが、効果が高いという実感を持っています。一度お試しになってみるのも、良いと思いますよ。
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