国民の命より大企業の儲け。「除草剤」規制緩和が示す日本の姿勢

 

1つ考えられる理由は、この村のような食習慣が確立すると、アルコールに弱い遺伝的素質を持った人は、徐々に淘汰され、残ったのはアルコールに強い人だけだというもの。もう1つ考えられるのは、血中のアルコール濃度がごく低ければ、ほぼ常にアルコールが血液中に存在しても、健康には影響がなく、適度な栄養分を取っていれば、ヒトは生きられるというものだ。実際、醸造酒(日本酒、ワイン、ビール)には炭水化物、タンパク質のほか、豊富なビタミンやミネラルが入っている。脂質はほとんどゼロだが、脂質は炭水化物から合成できるので、酒だけ飲んでいても生きられると言われれば、そうかもしれないと納得できる。

大体、ヒトはどんなものを食っていてもそこそこの歳まで生きられるのではないかと思う。野菜をほとんど食べなくて、肉と魚と酒だけで80歳過ぎまで生きた人を知っている。ビタミンC不足で壊血病にならなかったのは、魚を生で食べていたからだろう。ほとんど、アザラシの生肉しか食っていなかった時代のイヌイット(エスキモー)の人々も生きていたわけだから、多種類の食品をバランスよく食べなくても、生きるには恐らく問題はないのであろう。

そうはいっても、毎日同じものばかり食べろと言われれば、勘弁してもらいたいと私ならば思う。衣食住が足りている多くの現代人も、私と同じ考えだろう。私は32年間、毎日酒を欠かしたことはないが、3食、酒だけ飲んで暮らせと言われたら、気が狂いそうになるな。

いろいろなものを食べるのは、健康や長寿のためではなく、楽しいからである。しかし、単に楽しいためというのは何となく後ろめたいので、尤もらしい後付けの理由をつける。健康や病気の予防のためというのが最も流行っている言い訳だが、すると今度は、おせっかいな人が、これこれの食べ物は体に悪いなどと言い出す。酒はその最たるものだが、酒だけ飲んで生きている人々の存在は、こういった言説に対する強烈な反証である。

尤もらしい理由をつけるのは食品の摂取についてだけではない。財務官僚の利権と大企業の私利私欲のために存在する消費税は、国民の福祉のためという名目で導入されたが、福祉にはほとんど使われていないのは周知の事実である。山本太郎は見事にそのからくりを暴いて見せた。

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