小規模企業共済は本当に得なのか。「損益分岐点」を計算してみた

 

深田GL 「それから、ちょうど訪問途上で同席させてもらっている新米とも話していたことですが、小規模企業共済独自の疑問というか、ユニークな考え方も知っておいてください」

U社専務 「え?どんなことですか?」

深田GL 「小規模企業共済って、元々は自分のお金を積立しますよね。それにも関わらず、その積み立てたお金を受け取るときには、退職金扱いの源泉徴収控除が行われるんですよ」

U社専務 「うん?従業員さんが辞めるときと同じ考え方ですね?」

深田GL 「そうです。ってことは、勤続20年までだと、1年あたり40万円までは非課税だけど40万円を超えると課税されるってことなんですよ」

U社専務 「ん?自分のお金受け取るのに税金がかかるってことですか?」

深田GL 「ちょっと、納得いかないとは思いませんか?私は初めて気づいたとき、なんか矛盾している…と感じました」

U社専務「確かに、自分のお金受け取るのに税金がかかるのは、なんかよくわからない制度とも言えますね」

深田GL 「そうなんです。ただ、掛金を払っている間は、節税効果があり、掛金を上回る受取額があるということでは、受取時の税金で損を多く出さないようにして、相殺してトータルで考えてよしと判断すれば良いとは思いますが…」

U社専務 「うーーん、そこまで考えたことはなかったから、勉強になりましたよ」

深田GL 「はい、受取時の税金のことまで考えるならば、掛金の金額も勤続年数20年までは、40万÷12月=33,333円以内に、勤続20年を超えてから、70万÷12月=58,333円以内に増額すれば、税金を払わなくて良いってことです。もっとも、加入時にそこまで考えて掛け始める人はほとんどいないでしょうけれど、最初にこういう話ができていれば、ご検討もできるかと…」

U社専務 「そのとおりだね。今日は、貴重なアドバイスをありがとうございました。今後とも、よろしくお願いします」

深田GL 「こちらこそありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします」

image by: Shutterstock.com

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