神戸市の小学校で起きた教師同士のいじめ事件。その信じがたい現場を撮影した証拠動画も報道されましたが、加害教師たちには「自宅謹慎という名目の有給休暇を取得させる」という、一般常識とは大きくかけ離れた対応が今のところとられているようです。今回の無料メルマガ『いじめから子どもを守ろう!ネットワーク』では、治外法権、聖域ともとれる「教育現場」の異様な体質の改革を訴えています。
教師間いじめ、警察は介入できるはず
10月4日午後、神戸市教委が「学校現場でいじめ行為があった」と明らかにしました。その後、神戸市の小学校で起きた「教師間いじめ」が大きくとりあげられています。多くの方が目にしているとは思いますが、記事の見出しを並べてみます。
- 「羽交い締め、目に激辛カレー わいせつLINEを強要 小学校の教員4人が同僚いじめ」(神戸新聞)
- 車に飲み物わざとこぼす 小学校教諭4人が悪質ないじめ 神戸』(NHK)
- 『「いじめ防止」教師が同僚を“激辛カレーいじめ” さらに新車の屋根にも』(FNNプライム)
- 『小学校教員4人が後輩教員をいじめていた問題 教え子に自慢した過去も』(フジテレビ「とくダネ!」)
問題が発覚したのは、2019年6月に、別の教師が教頭先生に相談したことがきっかけです。報道では、いじめの動画や写真までも放映されています。
加害者については、30代の男性教師3人と40代の女性教師1人の4人とされており、
市教委は加害教諭らの処分を検討しているとしています。ただ、神戸新聞によるといじめ動画には、男性2人、女性2人が写っており、(「20代教員羽交い絞め、笑いながら激辛カレー 動画には男性と女性2人ずつ、第三者撮影か」)、撮影者も含めて現場には5人いたことになります。加害教師は増えるかもしれません。
また、隠蔽をはかった、あるいは放置していた前校長、そして現校長についても、教委は処分対象とすべきでしょう。
4人は休暇中で市教委は「自宅謹慎という制度はなく、制度上は有給休暇を取らせている状況」と説明しています。あまりにも世の常識とかけ離れた考え方だと思います。なお、被害教諭は体調不良を訴え先月から休んでいますが、他にも3人もの被害者がいるようです。
神戸新聞によると神戸市教委の記者会見では「いじめ」という言葉ではなく「ハラスメント行為」と述べています。そのハラスメントの内容は、
- 女性教員宛てに性的な内容を含むメッセージを送信するよう強制する
- 携帯電話にいたずらし、ロックをかけて使えなくする
- 被害教員所有の車の上に乗る
- 車を蹴る
- 車内で故意に飲み物をこぼす
- 「ボケ」「クズ」「カス」といった人格を否定するような呼称で呼び掛ける
- 拡大コピー用紙の芯でお尻を殴り、ミミズばれのけがを負わせる
- 背中を肘でグリグリと押す
- 足を踏みつける
- 嫌がる被害者を羽交い絞めにして押さえつけて、激辛カレーを無理やり食べさせる
- 他の教員へのハラスメント行為として、人格を否定するような呼称で呼び掛ける行為
- 女性教員へのセクハラ行為
となっています。しかも、ある加害教諭は、2016年、授業中に児童を突き飛ばして腕を骨折させていたとのことです。
前校長は、他の教員に対しても、「裏切ったらどうなるか分かるやろ。完全に切る」などと発言していたことや、今年3月に被害教諭に対し、「(加害者の)男性教諭にお世話になってるんやろ。いじめられてないよな」などと発言していたとも伝えられています。つぎからつぎへと加害教員たちの「とんでもない行為」が明らかになっています。
MBS毎日放送では、『いじめ加害教諭は児童らに内容語り目撃証言も』として、加害教師が、いじめを自慢していたことを教え子が話しています。
「激辛カレーを食べさせて、食べているところを見るのが面白かった的なことを言っていた。『いじめるな』とか言われたのにそんなことする先生だったのかと」(加害教員の元教え子)
「その女の先生からカレーパーティーの話とか、『(被害教員を)ポンちゃんって呼んでね』って話とか聞いた」(加害教員の元教え子)
というのです。加害教師のうち2人は「いじめ対策」の生徒指導担当。「いじめ防止」の担当教員が「いじめ」をする。しかも、いじめていることを生徒に自慢する。1人の教師は「自分が面白ければよかった。悪ふざけでやっていた」と述べたというのです。
「子供たちに言っていることと、自分たちがやっていることが全く違うことをしている」
これを「恥ずかしい」と感じない大人がいる、しかも教師というのは残念でしかたありません。頑張っている先生、尊敬できる先生を知っているだけに悔しい気がします。