わずか1年で消滅。相続で知っておくべき「遺留分侵害額請求権」

shutterstock_1114996040
 

遺産相続の際、遺言書の記載内容などによっては十分な遺産を受け取れないケースがよく聞かれます。そんなときに知っておくと損をしないのが、「遺留分」の請求権。日本人の中には苦手な方も多い法律の問題ですが、今回の無料メルマガ『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』では現役弁護士の谷原誠さんが、「遺留分」の請求や証明、請求可能な期限などを解説してくださっています。

遺留分は1年で消滅する

こんにちは。弁護士の谷原誠です。

今回も法律の話

相続で遺留分という言葉を聞いたことがあると思います。たとえば、父親が遺言書で遺産の全てを長男に相続させたとします。相続人は長男と次男です。この場合、次男は相続で何も取得できなくなりますが、少なくとも少しは取得することができるようにしよう、という制度です。たとえ父親が遺言書で遺産の全てを長男に相続させようとしても次男が遺留分を主張すれば一定割合の財産を確保できることになります。請求される長男の方がびっくりですね。

遺留分を請求される立場の人は、こちら。

● 遺留分を請求されたら、こう対処する!|弁護士による相続SOS

さて、今年の7月1日より前は、この権利は、「遺留分減殺請求権」と呼ばれましたが、同日以降は、「遺留分侵害額請求権という名称に変わっています。

改正前は、たとえば遺産が不動産の場合に、「遺留分減殺請求権」を行使すると、長男と次男の「共有」になっていました。しかし、改正後は、次男が遺留分侵害額請求権を行使すると次男は長男にお金を請求することができるようになった、ということです。

さて、今回は、この遺留分の権利は1年間で消滅してしまう、というお話です。

遺留分は、相続開始になって自動的にもらえるものではありません。遺留分が欲しい人も欲しくない人もいるので、「遺留分の権利を行使しますと主張した人だけ財産を取得することができるようになっています。そして、遺言によって財産を取得した人の法律関係を不安定にさせないため、一定期間内に遺留分の権利を行使しない場合には、権利が消滅する、ということになっています。

これが、わずか「1年間」です。

いつから1年間かというと、「遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間」ということです。これらの事実を知らなかったとしても、「遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知らなかったとしても相続開始の時から10年」を経過した時も消滅します。1年間と比較的短い期間が定められていますので、迷っているうちに消滅してしまいます。

たとえば、先ほどの例で遺産が1億円だったとすると次男が請求できる遺留分は2,500万円分です。この2,500万円を請求できる権利が消滅し、1円も請求できなくなる、ということです。実際、私のところに相談に来た時には、すでに遺留分が時効によって消滅していた、という事例もあります。

遺留分減殺請求遺留分侵害額請求を行使したことを証明するためには送ったことを証明できる内容証明郵便を使うのがよいでしょう。相続で遺留分の争いになると、自分で解決はなかなか難しいと思いますので、弁護士に相談しながら進めるようにしましょう。詳しくは、こちら。

● 遺留分を弁護士に相談する7つのメリットと2つの注意点
● 遺留分紛争の弁護士費用はこれだけです

私の新刊です。

人生を変える「質問力」の教え』(WAVE出版)

法律相談は、こちらから。

● 弁護士が教える法律知識 ご相談・お問い合わせ

今日は、ここまで。

image by: Shutterstock.com

谷原誠この著者の記事一覧

人生で成功するには、論理的思考を身につけること、他人を説得できるようになることが必要です。テレビ朝日「報道ステーション」などでもお馴染みの現役弁護士・谷原誠が、論理的な思考、説得法、仕事術などをお届け致します。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 弁護士谷原誠の【仕事の流儀】 』

【著者】 谷原誠 【発行周期】 不定期

print
  • PR まだ試していない!?あなたの「可能性」を数値化するAIスコアの実態に迫る
    まだ試していない!?あなたの「可能性」を数値化するAIスコアの実態に迫る
    (株式会社J.Score)

  • わずか1年で消滅。相続で知っておくべき「遺留分侵害額請求権」
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け