元官僚が見抜いた、東京の新型コロナ本当の死者数が数倍の可能性

 

新型コロナの死者は2月終わりから激増していた?

「それでも日本では死者が少ないからいいじゃないか」と思う人もいるでしょう。しかし、日本の新型コロナの死者数には、疑問となるようなデータが多々あるのです。

たとえば、新型コロナでは志村けんさん、岡江久美子さんなど有名人の死者が相次いでいます。志村けんさん、岡江久美子さんは、お二人とも「国民的」と冠せられるほどの超有名人です。こんな超有名人が複数も亡くなられるというのは、異常だとは思いませんか?これは欧米では時々見られますが、台湾、韓国では見られないことです。そして、この異常さの割に日本全体の死者は少なすぎると思いませんか?

5月16日現在、新型コロナでの日本の死者は、700人ちょっとです。700人の中に、超有名人が二人もいるというのは、統計学的には異常な数値なのです。

志村けんさんや岡江久美子さんは、控えめに言っても1万人に一人いるかいないかというほどの超有名人です。だから統計学的に言えば、日本人を1万人抽出したときにようやく一人入っているかどうかということになるのです。

つまり、志村けんさんや岡江久美子さんほどの有名人は、日本人が1万人死亡したときに1人はいっているかどうかの確率なのです。しかし700人しかいない死者の中に、お二人が入っているのです。これは明らかに異常値なのです。

これは隣国の韓国と比較すれば、わかりやすいです。人口当たりの死者数というのは、現在のところ日本と韓国はほぼ同じ程度です。

が、韓国では、有名人が死亡したという話は皆無です。それどころか感染者自体、芸能人などにはほとんどいません。SUPERNOVAというグループのユナクの感染が確認された程度で、ほかにはほとんど聞かれません。

一方、日本では、芸能人の感染者が相次いで確認されています。宮藤官九郎さん、石田純一さん、森三中の黒沢かずこさん、速水けんたろうさんなど誰もが知っている有名人が何人も感染しています。

有名人の場合、新型コロナの疑いがあるのにそれを放置し後で大事になれば、国や自治体は世間から厳しい非難を浴びることになるので、優先的にPCR検査をしているはずなのです。だから、有名人の新型コロナ感染や新型コロナでの死亡が多いと思われます。

ということは、有名人じゃない市井の人の場合は、新型コロナの疑いがあってもなかなか検査されず、死亡した人もいちいち確認はされていないということが考えられるのです。もしかしたら、数倍の死者がいる可能性もあるのです。

インフルエンザ患者は激減しているのに肺炎の死者が激増の謎

また別のデータもからもそれを示すものもあります。厚生労働省(国立感染症研究所)のサイトでは、「インフルエンザ関連死亡迅速把握システム」というものがあり、大都市のインフルエンザや肺炎で死亡した人の数値を毎週、発表しています。

インフルエンザ関連死亡迅速把握システム(国立感染症研究所HP)

それによると、東京は2月の終わりから3月いっぱいにかけて肺炎で死亡した人が非常に多くなっています。閾値と呼ばれる「通常値の上限」を30~40人も超える週が、5週間も続いているのです。この5週間では、例年の平均値よりも300人程度死者が多く、閾値よりも150人程度も死者が多いのです。

dd20200518-1出典:インフルエンザ関連死亡迅速把握システム(国立感染症研究所) 

本来、今年は肺炎の死亡者は例年よりも少なくなっていないとならないのです。というのも、今年はインフルエンザ感染者は例年よりもかなり少なくなっており、去年よりも30%程度も減っているのです。今年は新型コロナの影響により、マスクなどの感染症対策を施す人が多く、その影響でインフルエンザにかかる人が激減しているのです。

にもかかわらず、東京では2月終わりから3月にかけて肺炎の死亡者が通常値を大きく超えて激増していたのです。

そして3月中旬の週になって急に肺炎死亡者が減っているのです。このデータから推測されることは、2月から3月にかけての数値というのは、新型コロナで死亡した人が相当数含まれているのではないか、ということです。

3月中旬から急に肺炎死亡者が少なくなったのは、3月中旬から日本では新型コロナの検査を本格的に行うようになっており、「新型コロナでの死者が新型コロナでの死者としてカウントされるようになった」からではないか、ということです。

実際に3月中旬以降、東京都の新型コロナでの死者数は激増しています。

政府は、「本当は新型コロナでの死者はもっと多いのではないか」という指摘に対し「死亡した人で新型コロナが疑われる場合は、CTで確認している」と回答しました。

が、新型コロナかどうかというのは、CTだけでは確認できず、PCR検査も必要です。生きている人のPCR検査さえまともにやっていない国で、死者のPCR検査がきちんと行われているはずはないのです。おそらく、政府の発表よりもかなり多くの死者がいるはずなのです。

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