本気で変わる姿勢を。いじめ自殺事件で商船高専が問われること

 

これはひとえに大島商船の問題ではなく、高専機構を超えた「国立」の問題、文科省の問題と言えます。学生を人権を持つ一人の人間として扱わない姿勢に問題があります。仮にも「教授」とか「准教授」とか名のっている「教官」として恥を知るべきです。大島商船としては、報告書を載せるだけでは不十分です。ここまでひどい迫害とも呼べるような行為に対して、何もなかったで済ませるつもりなのでしょうか。加害者側の学生に対する懲戒もあったとは聞いておりません。被害者の友人に対し、恫喝、脅迫するなどの理不尽な振る舞いをした教官、そして校長自らの処分を行ってこそ、本気で変わろうとしている姿勢を見せることになるはずです。当然、国立高専機構も「通知しました」だけで終わらせるようであってはならない、そのように考えます。大島商船は「誰を守るのが学校の利益になるのか」を考えた結果の行動をとったといえます。教育関係者は、「誰が正しいかではなく、何が正しいか」を示さなければなりません。

この事件はまだ終わったとは言えないような状況にあります。本来、子どもたちにとって学校に行くことは、「楽しい」ことでなくてはなりません。楽しくないから「不登校」を選択するのです。さらには絶望し自殺を図ったりするような事件が起きるのです。生徒を預かる教師には「当たり前のことを当たり前」にできる学校をつくる責任があります。当たり前のこととは「いじめは絶対に許さない」ことであり、被害者を「守り抜く」ことです。そして「学習できる環境」をつくり出し、「この学校に行って良かった」という喜びを語れる生徒を送り出してほしいと思います。これができない学校は、存在しなくてもよいと言わざるを得ません。

さあ、学校が始まりました。こんなとんでもない学校が出てこないことを祈りつつ、私たちは、いじめ問題に取り組んでまいりたいと思います。例年ですと5月の連休明けからいじめ問題が増えてまいりますが、今年は6月末位から増えることが予想されますので、ご注意いただきたいと思います。何か心配なことがありましたらご遠慮無くご相談いただければと存じます。

一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明

image by: Shutterstock.com

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