また鳴った。飲食店は「呼び鈴」の音に振り回されていないか?

 

そこで、「呼び鈴」はあくまで「補助的」なものという位置づけにし、基本はスタッフ側からお客様の注文や要望を伺う、というスタイルに変えようと、それ以来取り組んでいただいております。

自分たちのできないことを「補助」するために、なにか仕掛け(鈴や呼び鈴など)を設置したり、機械でできるようにするというのは、決して悪い事ではありません。

しかし、本来は、「補助」という役割で導入したものが、逆に「主役」になってしまい、「人」の仕事の質の低下を招くことが結構あるのではないかと、上記の2例から感じました。

例えば、売上管理。
デジタル化が進み、レジやPCで売上管理は簡単にできるようになりました。
ただし、その弊害もあると思います。

それは、店長をはじめ、スタッフの数字への意識が非常に低くなったことです。昔が良かったわけではありませんが、毎日、数字を日報に記入し、客単価や原価率を毎日計算していたので、自然と頭に入りました。

しかし、今はすべてをPC(機械)がやってくれるので、計算に疎い人が多くなりましたし、売上や客単価、FLを把握できているスタッフは本当に非常に少なくなりました。

「効率的になる」、「便利になる」ことは、とてもいいことのですが、「人」のスキル、意識が下がるのが、現在の大きな課題なのかもしれません。

もし、全く「人」に頼らない経営を考えるのであれば、気にする必要はありませんが、「人」を中心とした経営を行っている会社は、デジタル化や機械化を行うのはいいのですが、その行い方には十分気を付ける必要があるように思います。

「鈴」や「呼び鈴」のように、補助的だったものが、今、店の「主役」になってしまって、かえって弊害(人の能力を下げている)が起こっていることはないか?皆さんのお店でも検証してみてはいかがでしょうか?

image by: Shutterstock.com

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