日本人が知るべき現実。中国の台湾侵攻で日米豪印4ヶ国連合はどう戦うか?

 

中国の台湾攻撃は大博打の危険性

「(もし、台湾が攻撃されれば)地域の緊張を緩和するためには何でもする。世界におけるトランプ政権のミッションだ。我々は紛争でなく平和を求めている。恥ずべきは中国共産党だ。ベトナムとの関係に加え、ここ日本でも沖縄県・尖閣諸島周辺で(航空自衛隊が)緊急発進を頻繁にせざるを得ない状況だ。(中印の軍事衝突が起きた)ヒマラヤで何が起きていると思うか。これが中国の力ずくのやり方であり、大国がすることではない。中国との融和策は正解にならないとの認識に至った」

台湾が中国に攻撃されれば、米国は「救援」すると明言している。これは、ベトナムや尖閣諸島でも同様に対応するという立場だ。もはや、中国との融和策は問題解決にならないとしている。ここでは、米英が第二次世界大戦の導火線になったドイツの周辺国への侵略を大目に見ていた「宥和策」の失敗を指している。米国は、中国に対してもはや一歩も退かず、断固として「戦う」としている。

米国の試金石は、台湾であろう。習近平氏は、自己の業績を上げるべく「台湾侵攻」もあり得る状況になってきた。ただ、それが成功するという保証はない。米国は、開戦と同時に中国へ金融デカップリングを並行して行い、人民元をドル経済圏から追放する荒療治が可能である。そうなれば、中国は「一溜まり」もない。即時、休戦であろう。中国の台湾攻撃は、中国にとって劇薬である。

習近平氏は最近、国家副主席王岐山氏の側近中の側近である董宏氏を、汚職容疑で逮捕した。また、王氏と深い友情で結ばれてきた、かつて不動産王と呼ばれた任志強氏が、「反習近平」の言動によって懲役18年という重刑に処された。これらは、習氏が王氏の動きを封じる目的のはずだ。王氏が、米国通であり金融に詳しいゆえに、米中対立で被る中国の損失を諫めたのでなかろうか。さしずめ、台湾攻撃が中国経済にもたらす破局的損失を警告して、両者の溝が深まっているとも推測できるのだ。

米国は台湾を守らなければ、ASEANが「NATOアジア版」に参加しないであろう。台湾を見殺しにする米国が、ASEANを中国から防衛してくれるはずがない、という疑念を持つからだ。米国が、「クワッド・プラス」に全力を挙げている背景はこれであろう。

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