さて、今回はまだ年齢的に非常に若い妻が遺族厚生年金を貰えるようになった場合の事例で考えてみましょう。
1.平成6年10月4日生まれの妻(今は26歳)
20歳になる平成26年10月時点では大学に通っていたが、20歳になると国民年金には強制加入なので国民年金保険料(平成26年度は15,250円だったが、令和2年度現在は月額16,540円)を支払う必要があった。学生だから毎月1万円を超える国民年金保険料は負担が大きかったので、学生専用の免除制度である学生納付特例免除を利用して、保険料を全額免除とした。
なお、20歳(平成26年10月)に到達してから何も免除の手続きをしてなかったため、平成26年10月のみ保険料を納め、平成26年11月と12月分はまでの保険料は滞納した。実際に免除の手続きをしたのは平成27年1月になってからだった。
国民年金保険料の免除を申請すると、過去直近2年分の保険料と翌年6月までの保険料が免除になる。なので平成26年10月まで遡って免除になる。滞納していた11月分と12月分も未納期間ではなく免除期間となる。
ところが、平成26年10月に1ヵ月だけ保険料を納めてるがこの保険料はどうなるのか?この保険料は納付したままとなり、免除期間にはならない。保険料を納めた後で、免除申請をして免除期間になったとしても「免除申請する前にすでに保険料を納めた期間分」はそのまま納めたものとする。
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※ 参考
国民年金保険料は半年とか1年分、2年分などまとめて保険料を納める前納制度がありますが、前納した後に免除制度を使った場合は免除申請した月分以降の保険料は返還する。
たとえば令和2年4月から令和3年3月まで1年間前納した後に、仮にですが令和2年8月に免除申請すると令和2年8月から令和3年3月までの前納保険料は還付の対象となる。
逆に、前納制度を使わずに単純に保険料を令和2年4月から令和3年3月分までいっぺんに支払ったあとに、さっきの令和2年8月に免除申請をしても令和3年3月までの保険料は還付しない。
この違いは注意する必要がある。
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というわけで、平成26年10月の1ヵ月は国民年金保険料納付済み期間となり、平成26年11月から平成29年3月までの29ヶ月間は学生納付特例免除とした。この免除期間は一般の免除期間と違って将来の老齢基礎年金には反映しない。