「見込み残業代」で得する人、損する人
もう1ついうと、僕は4月から出世することが決まっていました。出世をすると、見込み残業代として支払われることになっていたんです。見込み残業代と言うのは、たとえば「あなたは毎月40時間残業しているものとします」考えて、計算して給料が支払われるわけです。という事は残業していようが残業してなかろうが、月40時間の残業代はつくわけです。
だから見ようによっては、100時間働いても残り60時間分の残業代は支払われない。つまり、40時間を超えて働くと、ただ働きになります。逆に、残業代をもらって定時で終われれば、時間当たりの単価が高くなります。残業してもしなくても給料が同じであれば、残業しないで今と同じだけの仕事しようと思ったのです。ただ、残業はやめましたけど仕事量は変わらなかったですね。
仕事の棚卸をして別の担当者に振り分ける
時間内に終わらせなければいけないから、1時間あたりにやるべき仕事量は増えます。どうしたかというと、自分で抱えている仕事を部下に任せることにしました。「なんだ、そんなことか」と思う人もいるかもしれません。しかし、会社員時代の僕にはそれができなかったのです。なぜなら、自分の仕事を部下に任せて、部下が出来るようになってしまうと、仕事が奪われるような感覚になっていたのです。部下に任せたことでその仕事は、僕がいなくてもできるようになる。そうなったら僕の存在価値が薄れる。立場が悪くなる。そんな気がしていたのです。
だから、いかに仕事を囲い込むかということを無意識のうちに考えていたのです。そういう人って意外と多いんですよ。僕は、典型的なその考え方をしていたんです。でもどうしたって定時に上がりたいから、そんなことをしていたらできないわけです。そこで次のように変えました。
- 後輩に仕事を教えて、任せられる仕事はどんどん後輩に任せる
- 関係部署に仕事を依頼する
- メンバー全員でやることを前提にスケジュール調整をする
- わからないことがあれば、詳しい人に聞く
その結果、これまで毎月100時間以上やっていた残業をゼロにすることができました。