「どこおるんや」公立中いじめ事件の加害者が送りつけたLINEの異常性

 

編集後記

被害経験などがない人は、「逃げればいいじゃないか!」と言いますが、Aさんから詳しく聞けば逃げようがなかったことがわかります。

私は暴力団のフロント会社であった同業者に監禁されたことがあります。1度目は、酷い恫喝を受けました。一緒にいた従業員は腰が抜けてしまい、表情も酷く固まっていました。当の私は、彼が横にいたから、守らなければという意識が働いて、どうこの場から抜け出すかを観察するなどできましたが、もしも一人であったら、どうなっていたかはわかりません。

結果としては3時間ほどの恫喝の間、隙をついて、従業員を抱えて振り切ったわけですが、恫喝を受けると思考が固まりやすく、考えを巡らせることが難しかったのを覚えています。

Aさんの話を要約すれば、加害者の自宅に学校帰りなどに連れていかれ、その場でカバンや財布を取り上げれてしまいます。もしも出さなかったり抵抗すれば、集団で酷い恫喝を受けるわけで帰り道で逃げたりしても、自宅まで押しかけてくるわけです。

外での買い物はAさんに行わせます。もしも、お金が足りなかったら、やはり恫喝されるわけです。一部の加害者は10円とか100円を出して、あとは出しておいてと会計を任せるようにします。恫喝と脅迫、金銭や物品をたかる恐喝行為を長期間受けていたわけです。

酷い恫喝は精神を追い込みます。事実被害が出ていますから、複雑な心理状況は相手の言いなりになる方向で動いてしまうわけです。冷静さもあとのことを考えることもできず、ただただその場から逃れるための策として、お金を何とか用意するようになるのです。

さらに、Aさんは学校から、被害者が黙っていればよいという指導を受けたと言います。

しかも被害者だけが聞き取り名目で7回以上、数時間も指導を受けています。これは一体、どういうことなのでしょう。

口調は穏やかであったようですが、呼び出されること、話が無意味に長時間であること、まだ子どもの被害者一人に大人である教員二人がかりで行われる聞き取り名目の指導そのものが、いかに苦痛であり、被害者をどんなに苦しめた事か、教育者であろう教員は気づきもしなかったのでしょうか。

田舎の、のんびりとした土地柄、こんなところで未成年による恐喝など起きないとでも言いたのでしょうか。ハッキリ言って異常です。

しばらくすれば新聞報道が出ると思いますが、被害者はいつまでも苦しむのです。中には、加害者はいつまで反省すればいいのだという人もいますが、では、被害者は忘れることができない被害でいつまで苦しめばいいのでしょうか?加害者と同様、被害者にも人生があります。

第三者は読み終われば、観終われば終わりかもしません。加害者は禊ぎを済ませ、事件が忘れられれば終わりかもしれません。しかし、被害者はどこまでも苦しめられて過ごすのです。

乗り越えられる人もいるかもしれませんが、きっと多くの被害者は乗り越えたのではなく、被害のトラウマなどへの対処法を見つけ、なんとなくやり過ごすことができるようになっただけのように思います。

失われた時間は戻ることはありません。

どうしようもないことだからこそ、二度と起こさせてはならないのです。

そして、あえて書きますが、加害者は一生自分のやったことを忘れるな。被害者は生涯苦しむのです。別に人生を楽しむのは結構です、それは人の勝手なことですが、自分のしたことで、生涯苦しんでいる人がいることを忘れるなと言いたいです。

被害者は貴方のしたことをいつまでも覚えています。

Aさんがいつか自然に笑顔で過ごせる日を願って、支援を続けていこうと思います。私側にいる人が多くなればと、切に願います。

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image by: Shutterstock.com

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社会問題を探偵調査を活用して実態解明し、解決する活動を毎月報告。社会問題についての基本的知識やあまり公開されていないデータも公開する。2015まぐまぐ大賞受賞「ギリギリ探偵白書」を発行するT.I.U.総合探偵社代表の阿部泰尚が、いじめ、虐待、非行、違法ビジネス、詐欺、パワハラなどの隠蔽を暴き、実態をレポートする。また、実際に行った解決法やここだけの話をコッソリ公開。
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