ICT化もグローバル化も大間違い。海外とマスコミの“脅迫”に踊らされた日本

 

3.プロパガンダに流されるな

我々はビジネスについても脅迫的な風潮に押されていないだろうか。

私もコロナ禍以前はICT化とグローバル化を進めることこそ、企業のあるべき方向性だと考えていた。

しかし、コロナ禍で全てが止まり、ゆっくりと考えてみた。例えば、繊維業界はグローバル化と共に、中国生産を増やしたが、結果はどうだったか。国内製造業は淘汰され、価格競争が激化し、単価下落と共に、市場が縮小し、売上も利益も減少した。中国生産で利益を上げた企業もあるが、大多数の企業は業績が悪化した。

一方、中国企業は成長し、日本に観光旅行に来て、ラグジュアリーブランド商品を買い求め、高価なグルメを楽しむようになった。

中国市場進出も試みたが、中国市場は日本企業に開放されているとは言い難く、関税や様々な許認可の壁もある。多くの日本企業は中国市場から撤退した。

もちろん、中国生産も中国市場進出も日本企業が選んだ道であり、自己責任である。

それでも、純粋に結果だけをみれば、多くの企業にとって、グローバル戦略は間違っていたといえるだろう。

更に、もし、中国生産、中国投資、中国進出が、中国政府のプロパガンダ、情報操作だったとしたら、我々はそれに見事に乗ったことになる。

4.デジタル化で日本企業を支配する

それではICT化はどうだろう。コロナ禍における最も大きなビジネスの変化は「テレワーク」「リモートワーク」の進展だった。しかし、テレワークを進めて分かったことは、多くの会議や出張は無駄が多いこと。都心のオフィスにも無駄が多かったこと。そして、実は余剰人員が多かったことも明らかになってきた。

見方を変えれば、会社組織は合理的なビジネスだけを行っている場ではない。社会を構成する最小単位であり、そこに多くの社員が所属することで、社会は安定していたのだ。

もし、経済合理性だけで判断するならば、AIを導入すれば、管理職の多くは必要ないだろう。しかし、失業者が増え、社会が混乱する可能性もある。

会社は株主の利益のために存在するならば、徹底的な人員削減が正解かもしれないが、会社は社会を構成する要素であり、社員のものでもあると考えれば、様々な無駄も許容すべきだ。

実は、日本の強みはアナログではないだろうか、とも思える。日本の製造業はアナログな技術に支えられている。職人仕事を全てロボットに置き換えれば、中国企業は簡単に日本の技術を吸収できる。全てがデジタル化すれば、何でもコピーできる。全ては金で買えるのである。

そう考えると、日本の産業を保護するには、デジタル化の制限も必要かもしれない。もちろん、日本語による経営も守るべきだ。

グローバル化やデジタル化は、海外企業が日本企業を買収し、支配するための戦略かもしれない。

我々は、脅迫的なビジネストレンドに流される前に、本当に日本の産業や企業を発展させるには、何を守らなければいけないかを考える必要があるだろう。

print
いま読まれてます

  • ICT化もグローバル化も大間違い。海外とマスコミの“脅迫”に踊らされた日本
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け