「逃げるは恥」なんてむしろ逆。Netflixに学ぶ失敗を許容する重要性

 

Netflixのコンテンツ投資の強み

しかもこのエマージェントストラテジーは、Netflixで今も続いていて、冒頭でも言ったように、ディズニーに次ぐコンテンツの予算をかけて映画を作ってる制作会社でですね、他の制作会社とNetflixでは映画の作り方、大作の作り方が違うんですね。

それはなぜかというと、この俳優を使えば、絶対見てくれる人が何人いるか、この監督の映画を作れば何人観てくれるか。こういうプロットの作品を作れば、何万人観てくれるか。

っていうスティッキネス(粘着性)っていう言い方をするんですけども、愛してくれているファンが、どれだけいるかというデータを持っていますよね。

したがって、Netflixっていうのは大作の巨額投資をするにもかかわらず、実はうまく深く刺さる女優とか、監督とか、脚本のスタイルみたいなことを大作の投資をするんだけども、確実に儲かる。確実にユーザーに観てもらえるスタイルにできる。という世界最大のデータ分析に基づいて、巨額のコンテンツ投資ができる会社になったっていうことなんですね。

この根幹が、最初っからこんなことは戦略として考えていないってところが大事で、ただリアル店舗を持つレンタルビデオ屋さんに対して、逃げる戦略をとっていったら、月額制になり、ロングテールな一人の監督の作品を観たいという、ニーズを分析し、やがてAIと次の中心地を見つけたときに、アクセルをベタ踏みにしたというのが、Netflixなんですね。

まとめ

こういう風に初志貫徹とか、やり切る力っていうのはすごく大事なんですが、変化の時代というのは正解が何かはわからない。特に昨日までの正解が正解じゃなくなることも多くある。ということで、当意即妙に失敗を謝るということに対して、抵抗感なく失敗したところは丁寧に謝りながら、次の時代の中心地を探していった方がいいですよ。

それでは。

 

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image by: Elliott Cowand Jr / Shutterstock.com

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IT批評家、藤原投資顧問 書生 1970年生まれ。京都大学大学院工学研究科応用システム専攻人工知能論講座修了。 マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタート。 NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援を経て、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現:KLab取締役)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Google、楽天(執行役員)の事業企画、投資、新規事業立ち上げに従事。 経産省 対外通商政策委員、産業総合研究所人工知能センターアドバイザー等を歴任。 現職は14職目。シンガポール・バリ島をベースに人・事業を紡ぐカタリスト。ボランティアで「TEDカンファレンス」の日本オーディション、「Burning Japan」に従事するなど、西海岸文化事情にも詳しい。

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