アップルもアマゾンもやっている。トップ企業が高業績をあげる“必須要件”とは

 

アメリカの雇用制度やその考え方は、日本とはかなり違っています。期間の定めのない雇用契約おいては「雇用者・被用者のどちらからでも・いつでも・いかなる理由でも・理由がなくても自由に解約できる」という「At-Will(任意の雇用)」の原則があるのだそうです。契約条件が適わなければ、互いに随意に解約できるのが原則です。

ソニーの盛田昭夫さんが本格的にアメリカ進出するために事務所を開設したときの話ですが、とにもかくにも会社の形態を整えようと急いだがためにとんでもない人材が紛れ込んでいて、タイプが打てないタイピストや帳簿がつけられない経理マンでほとほと困ったそうです。

けれど、これらの人材は簡単に解雇できたので問題は解決したそうです。

アメリカは職務給で、一定の業務において人材が必要であれば契約を結び雇用するのですが、あらかじめ「ジョブ・ディスクリプション(JD、職務内容記述書)」を明らかにしそれをもとに契約するのだそうです。

だからこの条件にスキルが満たなければ契約違反で解雇できます。日本のように、新人を採用し育成しながら仕事をさせるのとは違うのです。 

盛田さんは、アメリカとはなんと経営者にとってありがたい国だと感じたのですが、しばらくしてそんな良いことばかりでないと気づくのでした。

とにかく事業にはセールスが重要だと、セールスマネジャーを育てようと必死になって手取り足取りで育てたのですが、いざ活躍してもらおうとしたところ報酬を倍出すライバル企業へ鞍替えされてしまったのでした。

この時に盛田さんは「アメリカの“合理性と怖さ”を、つくづく実感させられた」と述懐されており、実際にやってみて体験しなければ、事の真偽は分からないというということなのでしょう。

アメリカでは、できないのであれば契約違反なので自由に解雇でき、できる人は良い条件を求めて次々転職できるのです。

できないのであれば解雇され、できるのであれば更なる好条件を求めて転職可能で、契約社会のおいてはこれが一般常識です。アメリカの人材流動性が高いのは、こんな背景があってのことです。

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