アップルもアマゾンもやっている。トップ企業が高業績をあげる“必須要件”とは

 

自己実現欲求のマネジメント

“既存事業”でトップショアを獲得する「ナンバー1、ナンバー2戦略」だけでは、今世紀の経営環境に対応できなくなりました。好待遇、高報酬だけでは今世紀において、人材から競争優位を勝ち得る求められる能力や活力をもはや引き出すことができなくなっています。どうするのか、それに解答を示したのがスティーブ・ジョブズでした。

スティーブ・ジョブズが行ったのは、未来を起点にした「顧客が予想もしなかった“欲しがるモノ”を創り出す」ことで、ある意味で「美的な発想力が結実したクリエーティブ」とも言えます。さらにこの作品を具現化するために、未知で困難なモノにチャレンジできることに喜びを感じる人材を登用し、能力、活力を発揮させたのです。

ただスティーブ・ジョブズの活力の根源は「自己実現欲求」が主で、その効用は「顧客の低中次元の欲求」を満たすことでしかなかったとも言えるのですが、新たなマネジメントの形を示しました。

今世紀においても、富や技術や統治等の知識の格差や矛盾があって、2018年時点では、9人に1人、8億もの人々が飢餓に苦しんでいるそうです。それでもスマートフォンは、誰しもが欲しがるのを当然とするモノです。

今世紀にある問題を解決するには、人間の低次元の欲求を補償しそして基準、評価によって矯正しながら、自己実現と利他的欲求が生き生きと活性し発揮しなければならない場所と機会を与えることです。

バランスを持って物心両面の充足、特に飢餓からの解放やクリーンな環境づくりへの社会貢献が、有能な人材の自己実現欲求を満たすはずです。

これは今世紀において起業家が、「すべての人材の相異なる潜在的な能力を、自己実現欲求を適える」ことを通して、最大限に活用することの可能性を示唆するものです。

ある意味で、これからの「勝つことを超えた価値を得るマネジメント」となるもので、すでに一部では存在意義をかけて始まっています。起業家は「預言者」になれます。

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戦略経営のためには、各業務部門のシステム化が必要です。またその各部門のシステムを、ミッションの実現のために有機的に結合させていかなければなりません。それと同時に正しい戦略経営の知識と知恵を身につけなければなりません。ここでは、よもやま話として基本的なマネジメントの話も併せて紹介します。

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【著者】 浅井良一 【発行周期】 ほぼ週刊

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