たこ焼だけに非ず。コロナ直撃も新業態で業績UP「築地銀だこ」の底力

 

ガッツリ系に応える新業態をオープン

さらに、新業態である「野郎めし」を開発した。

ホットランドではかねてしっかりとした食事を提供する“主食業態”を展開したいと考えていた。それは、軽食の「築地銀だこ」の他に“主食業態”が加わることで事業ポートフォリオを豊かにするという狙いがあった。

そこで誕生したのが「野郎めし」である。コンセプトは、豪快で、ボリュームがたくさんあり、手軽な価格帯で、おなか一杯食べてもらうというもの。

昨年11月、群馬県太田市の国道50号線沿いにその1号店をオープンした。敷地はコンビニ跡地で1,300坪と広大であることから、大型トラックやトレーラーも駐車することが可能。ここで「しょうが焼」をアピールしたことによって、ドライバーだけではなく周辺に住むサラリーマンやOL、ファミリーなども連日訪れるようになり、稀に見る成功店となった。ちなみに「しょうが焼定食」の並盛は748円(税込)である。メニューはこの他に「とり天定食」「もつ焼定食」「とん汁定食」等。これらの定食には「大盛」「野郎盛」もあり、“ガッツリ系”の要望に応えている。

昨年11月、群馬県太田市の国道50号線沿いにオープンした「野郎めし」。敷地が1,300坪と広大なことから、大型トラック、トレーラーも駐車することができる(筆者撮影)

昨年11月、群馬県太田市の国道50号線沿いにオープンした「野郎めし」。敷地が1,300坪と広大なことから、大型トラック、トレーラーも駐車することができる(筆者撮影)

「野郎めし」は肉を主体とした単品メニューを定食で提供する(ホットランド提供)

「野郎めし」は肉を主体とした単品メニューを定食で提供する(ホットランド提供)

そして、グループ企業による酒場事業を強化した。グループ企業では「銀だこ酒場」「おでん屋たけし」「ごっつい」といったブランドで酒場業態を70店舗ほど展開していたが、昨年12月に「い志井グループ」を事業承継して酒場事業に組み入れた。い志井グループの「日本再生酒場」は東京・新宿三丁目、末広通りの賑わいの発祥となった業態である。牛や豚の新鮮なホルモン焼が主力商品であり、元気のよい従業員が醸し出すいなせな雰囲気が売り物で、同社代表の佐瀬氏は酒場事業を推進する上で「日本再生酒場」から多くのことを学んだという。

これによって、同社の酒場事業はい志井グループが培ってきた仕入れやノウハウを使うことができるようになり、酒場事業全体のクオリティがアップしてきている。

これらの酒場は「〇〇専門店」というもの。これまで「たこ焼とハイボール」や「おでんと酒」という専門性のはっきりとした店舗を展開してきたが、ここに「もつ焼」という強烈なコンテンツが加わった。

たこ焼にハイボールをはじめとした酒類をマッチングすることによって高家賃の都心部での出店できるようになった(筆者撮影)

たこ焼にハイボールをはじめとした酒類をマッチングすることによって高家賃の都心部での出店できるようになった(筆者撮影)

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