拙著『THE HOPE 50歳はどこへ消えた?』でも紹介しましたが、人間のSOC=ストレス対処力は、自分を取り巻く半径3メートル世界に「信頼できる人間関係」があることで強化される人間の不思議なパワーです。
つまり、災害ストレスで加速するサルの老化が人間にも当てはまるならば、SOCが「社会的な結びつき」で引き出され、それを「ストレスに対処する力」だとする理論を展開した健康社会学者のアントノフスキー博士の知見を、新たな角度から捉え、考えることができる。人間とストレスへの興味がどんどんと深まっていきます。
一方で、80歳を過ぎた途端、老化がいっきに加速し、認知症になる人が急増するというリアルは、人間の脳の寿命は80歳に設計されているのではないか?
医学の発達により肉体的には、人生100年時代を迎えているけど、霊長類としての「人」の限界を超えてしまっているのではないか?
家族のカタチが変わり、独居老人が増え、お金に関連するストレスも多い現代社会では、ますます脳の老化は加速してしまうのではないか?
健康寿命=「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間が、男性72.14歳、女性74.79歳で、「健康寿命を伸ばすため」の試みがあれこれ行われているけど、近い将来、頭打ち、あるいは短くなる可能性があるのではないか?
「長寿=幸せ」とは限らない現実の中で、「私」たちは老いることを、余儀なくされるのではないか?
などなど、次々と仮説が浮かんでしまうのです。
寿命って・・・なんなんでしょうね。
みなさまのご意見も、ぜひお聞かせください。
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