世論の声を汲んで創設された国民年金はなぜ、即危機に陥ってしまったのか

A man in a suit. An orange notebook with Japanese writing. Translation: Pension Handbook, Social Security Administration.
 

財政の危機に瀕していた国民年金と、自民党が守り続けてきた農業の衰退

また、国民年金制度自体も早い段階から危機に瀕していました。

国民年金は昭和34年4月に施行され、昭和36年4月からは保険料を納めていく事になりました。

加入するのはサラリーマンや公務員ではない、農家や自営業の人が主でした。

20歳から60歳までの40年間加入するけども、そのうち最低でも25年以上を満たしたら65歳から国民年金を支給するというものでした。

この時に1,700万人の人が加入となり、昭和40年代に入ると2,000万人を突破していきました。

概ね2,400万人の加入を見込んでいたようですが、まあまあの加入者の出だしだったようです。

この時代は農業に従事していた人が全産業の中で40%を超えていましたが、時代は高度経済成長でした。

そうすると、農業やるより都会に出て働いたほうがお金になったんですね。

ちなみに農業というと、選挙の際は自民党にとっては非常に重要な圧力団体であります。農業を守る事で安定した票を集める事が出来ていたりします。

よって、自民党としては農家の人に支持してもらおうと努力する事が多いです。

戦前は地主の土地を借りて農業を行う小作農という形が一般的であり、作物の多くを地主に取られてしまうものでした。作物の多くは地主に吸い上げられるからやる気があんまり出ませんよね^^;

戦後は農地改革が進められ、国が地主の土地を強制的に買い取って、小作農だった人に土地を与える事になりました。

小作農だった人達が自分の土地を持つようになったわけです。

そうすると作物を作ればそれは全て自分の収入になるわけです。

ゲンキンなものですが、全部自分の収入になるのであれば頑張りますよね(笑)。

それで、戦後は焼け野原だった日本の食料生産量が息を吹き返したわけです。

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