プーチンも驚愕。前線の兵を殲滅させる米国供与の「恐ろしい兵器」

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東部戦線でのロシア軍優勢が伝えられるウクライナ戦争。しかしその状況は、「一時的」なものに終わる公算も高いようです。今回のメルマガ『uttiiジャーナル』では著者でジャーナリストの内田誠さんが、刻々と変化する戦況について解説を交えつつ詳しく紹介。さらにアメリカが新たにウクライナへの供与を決めた2つの兵器がこの戦争の質を変え、米国が目的としている「ロシアの弱体化」以上のことが起こる可能性を指摘しています。

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「デモくらジオ」(6月10日)から:いま「ロシア弱体化」以上のことが起ころうとしているウクライナ戦争

現在ただいまのウクライナの情勢というのは、みなさんご承知の通り、東部にロシア軍が戦力・兵力を集中して、非常に激しい戦いが、特に最後の要衝といわれるセベロドネツクというところで行われてきた。おそらく市街戦のような形に最後はなっていたのではないかなと、想像に過ぎませんけれど。

なんとも血なまぐさい話なのですが、どうやらロシア軍がセベロドネツクの支配権を100%確保したのではないか、という情報が多くなってきています。ですが、これで終わるのかというと、ルガンスク州に関してはもう一カ所、ロシア軍が抑え切れていない場所があって、それはセベロドネツクから川を渡った先のところらしいのです。ここをロシア軍から見て落とすためには川を渡らなければならない。

ところが渡河作戦というのはこの間3回ですかね、ロシア軍は大失敗をしていて、ものすごい数の兵員をそこで失っているんですね。でも、ロシア軍は常に大軍で押し寄せてきていますから、委細かまわず前に失敗したのと同じやり方でトライして、やはり同じようにやられてしまうということがあった。さすがに3回失敗していると、次はどうなるのかと。ここの攻防に関してこれからしばらくの間、色々な情報がでてくるのかもしれません。そんなところですね。

それ以外にメディアで語られていることは、一つはウクライナからの穀物輸出を巡って、世界の広い範囲で飢餓が起こるのではないかという。これも責任のありかに関しては、ロシアを非難する声が最も多く、ロシアが黒海を事実上封鎖しているということ。穀物を積んだ船がウクライナから外に出られないのは、ロシアの黒海艦隊のせいだというふうに考えられますし、ロシア側から見ると、そうではなくて、あれはウクライナが封鎖しているのだという、もう何か、マジですかといいたくなる屁理屈だけれど、そんな理屈もあるのでしょう。ここにものすごく大きな問題がある。

それからルガンスク州を全部落とすことの意味は…。6月12日は「ロシアの日」というのだそうですね。ロシアの建国記念日になっている。6月12日の式典の前にしかるべき戦果を上げて、それを手土産にと言ったらなんですが、その日に発表・報告できるようにしたいというロシア政府の意向があるのではないかという議論がある。いや、そんなの関係ないですよという議論もあり得ますけれど、彼らの目論見通りに達成されれば、大きく喧伝するでしょうね、きっと。それは間違いないことだと思うのです。

それからプーチンさんの体制の歴史的な意味について色々な研究者の見方などがこの間メディアの中でずいぶん出てきています。で、そこで一つ鍵になるのはかつてスターリンというとんでもない指導者がいたわけですけれど、大粛清を敢行した人で、自分の権力維持のためにごく近い人を含めて、1千万人くらいが犠牲になったのではないかといわれるくらい。ロシア共産党ソビエト共産党の内部も外部も含めて「人民の敵」ということになると、すぐに処刑なんですよね。そういう世界があったということ。ただスターリン率いるソ連軍がナチスドイツを破って第二次大戦に勝利したので。その間には2,700万人の犠牲者が出てもいるのですが、そういう戦いに勝利した英雄としてのスターリン。これにも、そうではないという議論が出てきていますが、そのスターリンを再評価する動きが非常に強まっていて、粛清の犠牲者についての議論(復権)もしにくい状況になっているようですね。

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