台湾の次は日本侵攻。新空母「福建」の名に込められた中国の野望

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先日進水した、中国海軍3隻目、国産としては2隻目となる新空母「福建」。習近平国家主席自らが命名したとする艦名は台湾と向き合う福建省にちなんだとあって、「台湾侵攻を強く意識したもの」との見方が各所で指摘されていますが、彼らはさらにその先を見据えているようです。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では著者で台湾出身の評論家・黄文雄さんが、「その先」が日本侵攻であるとの見解を示すとともに、そう判断する理由を歴史的背景等を交えつつ解説。さらに現在習近平氏が置かれているという厳しい立場を紹介するとともに、追い詰められた指導者の暴発に対して警戒を呼びかけています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年6月22日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

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【中国】新空母「福建」の名称に潜む日本侵攻の野望

中國「福建號」航艦下水 專家分析形成戰力尚需時間

6月17日、上海の港南造船所で中国解放軍の3隻目の空母「福建」の進水・命名式が行われました。このニュースは日本でも報じられましたが、もちろん台湾でも大きな注目を集めています。

電磁カタパルトを備えた最新式空母で、満載排水量は8万トン以上と見られています。台湾国防院国防戦略資源研究所所長である蘇紫雲氏は、装備と訓練にあと2年はかかるとしており、2025年に初期作戦能力を持つと推定しています。

アメリカのヘインズ国家情報長官は、5月10日、上院軍事委員会で「中国は2030年までに台湾侵攻できるよう軍備を整えている」と発言していますが、蘇紫雲氏の推定は、ヘインズ長官の発言とも符合しています。

「中国は2030年までに台湾に侵攻できるよう軍備を整えている」米国家情報長官

日本のニュースでは、この空母の「福建」という名前が、対岸にある台湾侵攻を目指したものだと説明されています。蘇紫雲氏によれば、中国の命名規則では、1級艦については通常、造船所のある省によって命名されますが、今回、上海の江南造船所で建造された空母が「福建」と名付けられた背景に、清朝の海軍大将で福建水軍を率いた施琅(しろう)にちなんだ政治的意図があると分析しています。

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施琅は、「反清復明」を目指し台湾に拠って清に反抗した鄭成功と対峙し、鄭成功の死後に台湾を攻略して清の版図とした人物です。この施琅を念頭に置いた命名であるなら、中国政府の台湾侵攻の意図は明確です。

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