対話型AI「ChatGPT」に宿題を丸投げする子供たち。天才エンジニアが予測する2023年の「意外な格差」と日本の未来像

shutterstock_1208829478
 

急速に進化を遂げるAI、人工知能。その進化を止めることはできず、以前からの想定以上に多くの仕事がAIへと移行していくことになるようです。メルマガ『週刊 Life is beautiful』著者で「Windows95を設計した日本人」として知られる世界的エンジニアの中島聡さんは、米AI研究機関「OpenAI」が開発した会話形式で対話できる人工知能システム「ChatGPT」に関する海外記事を紹介。今「ChatGPT」が話題となっていますが、以前より文章作成AI「GPT-3」に触れ、その驚異的な精度を知っていた中島さんは「何をいまさら?」と感じたそう。その上で、従来の教育が意味をなさなくなることに触れ、「AIを使いこなせるか否か」とはまた別の「深刻な格差」が生まれつつあることを指摘しています。(この記事は音声でもお聞きいただけます。

プロフィール中島聡なかじま・さとし
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。

この記事の著者・中島聡さんのメルマガ

初月無料で読む

会話形式で対話できるOpenAIの人工知能システム「ChatGPT」

Opinion: Microsoft invested in an AI system that helped me write this column about Tesla.(会話形式で対話できるOpenAIの人工知能システム「ChatGPT」) – MarketWatch

【記事の要約】本稿では、会話形式で対話できるOpenAIの人工知能システム「ChatGPT」が、投資家に投資候補先を知ってもらうための可能性を探っていく。OpenAIは、2015年に設立され、2019年にマイクロソフトから10億ドルの資金提供を受けたサンフランシスコの企業である。筆者は、このシステムを使って投資アイデアに関連する記事を調査・執筆したところ、人間が行うよりもはるかに効率的に情報を照合し、最適化できることがわかったという。記事では、AIが私たちの社会に及ぼす影響や、それが善にも悪にも利用される可能性についても触れています。最後に著者は、AIがどのように生活を便利にしていくのかについて、興奮と少しの恐怖を表現しています。

ChatGPTが急速に注目を集めていますが、以前からGPT-3を触っていたエンジニアとしては、「何をいまさら?」という感じですが、UIを少し変更しただけでこれだけの反応が市場から返ってくるというのは、UIの大切さを語る上でもとても重要です。

OpenAIが証明しているのは、巨大なニューラルネットワークに人類の叡智を詰め込んでしまえば、通常の人間よりも遥かに知識が豊富な人工知能が出来てしまうということです。

既に、簡単なエッセイや説明文を書くことは出来るし、プログラミングも出来るので、これによりさらなる人が職を失うことは確実です。実際、VC(Venture Capitalist)をしている私の長男は、GPT-3を使って投資先の評価をしたり、CEO向けのレポートを作ったりしていますが、これは本来であれば人を雇って行う仕事です。

ChatGPTの誕生により、宿題をChatGPTにやらせる子供達が出てくることは確実で、教師もそれを前提にした課題の作成をしなけれなならない時代になりました。

人工知能の誕生により、「勉強なんかしなくて良い」「勉強なんかする必要がない」と考える子供達が増えることも確実で、それによって、「ちゃんと勉強した人」と「そうでない人」との開きがさらに大きくなる可能性があると私は思います。それは結果的には、「一部のエリート達が社会を動かし、他の人たちは養われている」というディストピア的な未来につながるように見えます。

この記事の著者・中島聡さんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • 対話型AI「ChatGPT」に宿題を丸投げする子供たち。天才エンジニアが予測する2023年の「意外な格差」と日本の未来像
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け