銭形平次が悪党に投げつける一文銭。一回の捕物にかかる金額は?

One of the coins circulated during the Edo period in Japan. "Kanei Tsuuhou".
 

また、金貨は四進法でした。これがややこしく、江戸時代の貨幣のわかり辛さの一因です。一両は四分、一分は四朱、ですから一両は十六朱でした。金貨は四進法でしたが銅銭は十進法です。一両は四千文でしたから一文は二十五円ということになります、

二八蕎麦と呼ばれたように蕎麦は二×八=十六文でした。一文が二十五円だとしますと四百円です。また、四文屋という四文均一の食べ物を扱う屋台がありました。大体、串に刺したおでんだったそうです。四文ですから百円均一のリーズナブルな食べ物屋だったことがわかります。

かつて人気を博した時代劇に銭形平次があります。大川橋蔵演ずる平次は一文銭を武器に捕物に臨みます。悪党に一文銭を投げるのですが、毎回、勿体ないなあ、と思って視ていました。一文二十五円、投げるのは十回未満ですから、二百五十円以下で捕物を成就していたのでした。

江戸時代のお金の価値がわかれば、時代小説は手に取りやすいのではないでしょうか。

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