最後はプーチンが直接陣頭指揮か。総司令官交代劇に見る露の窮状

 

というように、ロ軍のインフラ攻撃は続くが、地対空ミサイルシステム「パトリオット」が2台ウクライナに供与される。このシステムと今までのNASAMSなどの防空システムを連携すると、防空体制は完璧になるという。

その上、インフラ攻撃でウクライナ人は、ビクともしないことで、戦争目的を達成していない。ミサイルを軍事目標に使わないことで、ウ軍自体の被害は少ない。攻撃効率が低いことになっている。

それと、ロシアのアントノフ駐米大使は10日、米国がウ軍に対し「パトリオット」の使用訓練を実施する方針を示したことについて、ウクライナでの戦争に米国が参加しているさらなる証しだと指摘した。インフラ攻撃の無効化になるので、ロ軍の攻め手が、また1つなくなることになる。

その上、イスラエルは、ウ軍にドローンやミサイルに対してのスマート警告システムを提供することになった。これで、ゲバルト対空戦車などでの撃墜率が上昇することになる。防空システムが揃い、ロ軍のインフラ攻撃の効率は、相当、下がることになる。

ポーランドのドゥダ大統領とリトアニアのナウセダ大統領は、ウクライナ西部リヴィウを訪問してゼレンスキー大統領と会談して、レオパルト2戦車10台と砲弾を提供するとしたし、英国はチャレンジャー2戦車12台を供与するとした。とうとう、欧米製戦車が提供され始めている。徐々に、ウ軍は増強されることになる。

しかし、レオパルト2戦車供与に否定的なシュルツ首相は、日本と同じように交戦国への攻撃兵器譲渡を禁止しているので、先頭に立って戦車供与はできない。

ということで、ドイツは、米国が動かなければ動かないので、M1エイブラムス戦車を米国が供与しないと、レオパルト2戦車の提供をドイツは承認しないという。

しかし、ドイツ政府は、1月20日にラムシュタインのアメリカ空軍基地で開催される国防高官会議の前にウクライナへのレオパルト戦車供与を決定する予定であるとの情報もある。

そして、M1エイブラムス戦車は生産中止であり、米国もメンテして使用しているので、提供できない状態であり、象徴的な意味での1台の米戦車供与するか、英国のチャレンジャー2戦車提供でドイツは戦車提供承認をするか、米独の決定を持ちたい。

そして、ロ前大統領のメドベージェフは14日、ウクライナでのロシアの核使用は「人類に対する敵対行為」になると警告した岸田文雄首相とバイデン米大統領の共同声明について「とてつもない恥で、コメントすらできない妄想」と非難し、岸田氏が「閣議で切腹するしかない」と強く反発した。

核兵器を使用した唯一の国は米国であり、その被害を受けたのが日本であることを岸田氏は「完全に無視し、米大統領に謝罪を求めることもしなかった」と指摘したが、米国は既に核兵器使用が間違いだったと謝罪している。

ロシアは、核使用の可能性があり、世界は警告しているのである。

EU内

EU内でも、ハンガリーはウクライナに武器を供給しないし、自国領内を経由して輸送する計画もないとハンガリー首相府の責任者が述べたし、セルビアでもロシア支持が多い。

EU内でのハンガリーは異端児であり、その排除をするべき時期に来ていると思う。安全保障は、経済より優先であり、その面で相反する考え方の国は、排除しかない。

さあ、どうなりますか?

(『国際戦略コラム有料版』2023年1月16日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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