原理ではなく「道具」として考える
一方で道具に関しては、「スマホが動いているのは、フーリエ級数がめちゃくちゃ使われているからだ」とか、「僕たちの位置を特定するGPSは、アインシュタインの相対性理論が使われているからだ」とかを知っている人なんて、ほとんどいません。
でも最近のAIにしろメタバースにしろ、「裏側を知っておかないといけない病」があります。普通に道具として触って便利だったら活用するし、便利じゃなければ使わなくてもいいんです。
アップデートしていかなくても、久しぶりに「こういう使い方ができるらしいよ」と教えてもらって、「え、そうなの」と言って、すぐに使えばいい話なんですよね。
まずは使ってみる。使ってみて、その場で使い方がわかればOKだし、わからなければ放っておけばいい。ただ大事なのは、新しい使い方が出てきたことに敏感になっておくことです。
使い方の本には間違いがないわけです。「こういう入力をしたら、こういう出力が出ますね」というのをいろいろな人が作っているので、自分が教育をしているのであれば、1ヶ月に1回、1時間でよいので、「教育・GPT」「教育・メタバース」みたいなかたちで、YouTubeやGoogle、Twitterを検索して、使い方のところだけを自分でも試してみる。そして、「あ、これいいな」と思ったら取り込む。こういうことを毎月1回やっていくことが大事です。
それをやっていると、「この人は使い方に関して、いろんな新しい工夫をするな」「この人は使い方についてまとめてくれているな」という人が見つかります。
その人は新しい使い方のコンビネーションがすごくうまい人だから、僕たちは原理をわかっていなくてもいいんですよ。
「使い方のベンチマークになる人を見つけて、その人のTwitterをフォローしておいて、アップデートを見るようにする」。あるいは、「1ヶ月に1回、1時間、使い方に関してだけ学習する」。
このように、きちんと分けることが大事だと思います。
ということで、つながる時代を楽しみましょう!
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