成長は停滞。在中日本人が中国に見切りをつけるのはいつ?

Shanghai.China-Feb.2021: crowded tourists in face mask to prevent covid-19, walking on Nanjing Road
 

国家ライフサイクルから見る中国

サラリーマンさまは、メールの中で、

北野様は2020年ころから中国は下り坂になると以前からおっしゃっていて、その通りになりつつあり、その見立ては敬服します。

と書かれています。昔からの読者さんは、ご存知でしょう。私は、2005年に出版した一冊目の本『ボロボロになった覇権国家アメリカ』から、一貫して「中国の高成長は2020年まで」と書いてきました。これは、何でしょうか?「国家ライフサイクル」でみたのです。詳しく書くと長くなるので、超簡単に。

ある国のある体制は、

・前の体制からの移行期(=混乱期)→成長期(前期と後期がある)→成熟期→衰退期

と進んでいきます。移行期(=混乱期)は、二つの条件が整うと成長期に入ります。その条件とは、

・政治が安定すること
・リーダーがまともな経済政策を行うこと

戦後の日本は、1950年に始まった朝鮮戦争の特需で復活を開始しました。それから、1990年まで40年間成長期だったのです。

中国は、どうでしょうか?1949年に中華人民共和国が成立。一応、政治は安定しました。しかし、毛沢東は、究極の経済音痴だった。「大躍進」とか「文化大革命」とか、わけのわからない政策で、民を大いに苦しめました。毛沢東が死んだのは1976年。その後トウ小平が実権を握り、改革を宣言したのが1978年12月。中国が成長期に入ったのは、ざっくり1980年からでしょう。

以後中国は、完全に「日本から30年遅れ」で進んできました。検証してみましょう。

・日本1960年代、「安かろう悪かろう」で急成長
・中国1990年代、「安かろう悪かろう」で急成長

・日本1970年代、「世界の工場」になる
・中国2000年代、「世界の工場」になる。

・日本1980年代、「ジャパンアズナンバー1!」「日本がアメリカを超える」と誰もが思い始める
・中国2010年代、ほとんどの人が「中国がアメリカを超える」と思い始める

問題は、ここからです。

・日本1990年代、「暗黒時代」に突入

そうなると、中国は?

・中国2020年代、「暗黒時代」に突入

と予測することができたのです。

繰り返しますが、私が「中国の高成長は2020年まで」と書いたのは、15年前のことです。予想通りにきたのですが、これからどうなるのでしょうか?

 

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