成長は停滞。在中日本人が中国に見切りをつけるのはいつ?

Shanghai.China-Feb.2021: crowded tourists in face mask to prevent covid-19, walking on Nanjing Road
 

これからの中国を見る三つの視点

もう少し細かく中国の未来を見てみましょう。

一つ目の視点は、「国家ライフサイクル」です。中国は、2020年に成長期を終え、成熟期に入りました。どんな国も、永遠に高成長をつづけることはできません。中国は、「国家ライフサイクル」で「低成長の時代」に入ったのです。

二つ目の視点は、「人口」です。中国の人口は2022年、前年比で85万人減少しました。中国の人口が減少するのは、およそ60年ぶりのこと。そしてこの国は、1979年から2014年まで「一人っ子政策」をしてきたことで知られています。それで、今後人口減少のスピードは加速していくことでしょう。2050年になると、インドの人口は16億人、中国の人口は13億人になると予想されています。人口が減少すると、経済成長は難しくなっていきます(@不可能ではないですが)。

三つ目の視点は、「人的要因」です。日本が「暗黒の30年」になったのは、「人災」の面も大いにありました。具体的にいうと、「3度の消費増税が暗黒時代を長引かせた」。

1997年に消費税を引き上げなければ、「暗黒の10年」はなかったでしょう。2014年に消費税を引き上げなければ、アベノミクスは成功したでしょう。2019年に消費税を引き上げなければ…。これは、翌年「新型コロナパンデミック大不況」がはじまったのでよくわかりませんが。

日本の長期低迷は、「国家ライフサイクル」プラス「人災」だったことがわかります。実際、日本のここ30年の経済成長率は、いわゆる成熟国家の中でももっとも低いのです。

だから、中国政府も「正しい経済政策」をすることで、成長をつづけることができるのでは?

そのとおりです。そして、正しい政策によって、高成長とはいわないまでも、そこそこの安定成長をつづける可能性はある。ただ、現時点で、それはないでしょう。なぜ?習近平は、中国経済に奇跡的成長をもたらしたトウ小平を軽視しています。一方、中国国内に混乱と大量死をもたらした毛沢東を信奉している。この「妄信」は、政策に影響を与え、中国経済に混乱をもたらしています。

習近平の迷言といえば、「マンションは住むものであって、投機するものではない」です。絶対独裁者がこんなことをいえば、不動産バブルがはじけるのは当然でしょう。

日本のバブルは、1990年3月大蔵省が決めた「総量規制」でつぶされました(人災)。中国では、国家主席自身がその言葉によってバブルを崩壊させているのです。いわゆる2021年9月の「恒大ショック」です。

というわけで、経済音痴の習近平がトップの間、中国経済は日本の後を追っていくと見られます。そして経済音痴の習近平は、「終身国家主席」をねらっているのでしょう。

・国家ライフサイクル
・人口減少
・経済音痴な習近平

この三つの理由で、中国経済の未来は暗いと思います。

 

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