2.本来の65歳から年金貰う人と、例えば70歳から貰う人の損益分岐点は?という素朴な疑問
それにしても、この年金の繰下げをすると本来の65歳から貰い始めた人よりも年金の受給を遅らせる年金の繰下げをやった人の年金総額はいつ逆転するのか?って気にされる人も居ます。
とはいえ年金は予想外に長生きした場合でも年金を支給するよっていう保険であり、万が一長生きした場合でも国が終身で生活保障としての年金を払うように年金保険料を払っています。
民間の生命保険とか損害保険でも、今まで支払った保険料の元を取ろうなんて別に考えないですよね。
万が一、保険期間に何も事故が無くて保険金が貰えなかったとしても「損したー!」とは考えませんよね。
公的年金も保険なので、損得勘定は意味がありません。
まあ、受給者の人の寿命がいつまでなのかわかるのであれば損得勘定も参考になるんでしょうけど、誰も自分がいつまで生きるかわかんないですしね。
でも参考程度に損益分岐点を示しておきます。
これは11年10ヶ月を損益分岐点となり、それ以降は繰下げした人の年金総額が上回り続けます。
例えば65歳から100万円の年金を70歳まで繰り下げて、70歳からは42%増の142万円受け取るとします。
そうすると70歳+11年10ヶ月である81歳10ヶ月で本来の65歳から貰い始めた人の年金総額とほぼ同じになり、それ以降は70歳から貰ってる人のほうが総額は多くなります。
ちなみに75歳から貰うのであれば86歳10ヶ月まで生きたら65歳から貰う人と総額が同じになり、86歳11ヶ月以降は75歳から貰ってる人が総額が多くなるという事ですね。
ちなみに、どこから繰下げしても11年10ヶ月が損益分岐点(加給年金や振替加算などを貰ってる人は必ずしもそうならないので注意)。
ただ、今の平均寿命が男性81歳で、女性は87歳ですので考えてしまうとこかもしれませんが、実際は「平均寿命」では見ません。
「平均余命」を参考にする必要があります――(メルマガ『事例と仕組みから学ぶ公的年金講座【過去記事改訂版】』2023年6月25日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください)
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