中国にダダ漏れ。最高機密網への侵入を数カ月も放置した防衛省「昭和の戸締り」状態

 

米国サイバー軍の支援提供を拒否した岸信夫防衛相

すると、トランプ政権が隠蔽していた様々な情報が出て来たのですが、その中に重要性の高い「ハッキング情報」が含まれていたのです。その1つが「ロシアのハッカーグループによるアメリカの国防総省のネットワークへの侵入」であり、もう1つが「中国のハッカーグループによる日本の防衛省のネットワークへの侵入」でした。アメリカの国防総省のネットワークへのハッキングは、それなりにセキュリティ対策が施されていたため、大事にはなっていませんでした。

しかし、日本の防衛省のネットワークへのハッキングは、もっとも重要性の高い最高機密網にまで侵入されていた上、当時の安倍政権の河野太郎防衛相は、何の対策も取らずに何カ月間も放置していたのです。防衛省の最高機密網には、アメリカと共同で行なっている軍事計画の詳細なども含まれているので、これはアメリカにとっても大変な問題です。そのため、アメリカは自国のことで手一杯なのに、それでも無理をして、NSAのナカソネ長官とホワイトハウスのポッティンガー副補佐官を日本へ送ったのです。

エレン・ナカシマ氏の元記事には「日本の防衛相」としか書かれていませんが、安倍政権から菅政権へ移行した直後の防衛相ですから、これは安倍晋三元首相の実弟の岸信夫氏ということになります。で、元記事を読むと、ポール・ナカソネ長官に同行したNSAの高官の証言として、ナカソネ長官からブリーフィングを受けた岸信夫防衛相は、中国人のハッカーグループによるハッキングの事実を知らされ、「たいへん驚いていた」とのこと。

この問題を担当したNSAの高官の1人は、「日本の防衛省のネットワークのもっとも重要性の高い最高機密網が、何カ月も前から中国人民解放軍のハッカーグループのマルウェアによってハッキングされており、多くの最高機密が漏洩し続けていた可能性が高い」と述べました。つまり、何カ月も前から防衛省の最高機密網がハッキングされ、重要な情報がダダ漏れになっていたのに、防衛省も担当大臣も誰1人として気づいていなかったということです。

ハッキングには、相手のシステムの脆弱性をついて侵入し、ウイルスを仕掛けたりプログラムを書き変えてシステムを破壊するサイバー攻撃だけでなく、「こっそりとデータを盗み見るスパイ活動」があります。この時は、後者だったので気づかなかったようです。しかし、部外者が正規でない方法で最深部にまで侵入していた上、その状態が何カ月も続いていたのですから、マトモな監視システムであれば、速攻でブロックして排除していたはずです。

そして、この「防衛省も担当大臣も誰1人として気づいていなかった」という状況に愕然としたナカソネ長官は、中国のハッカーグループによる強力なマルウェアシステムを一掃するために、米国サイバー軍の支援を提供すると申し出ました。それなのに、嗚呼それなのに、それなのに…というわけで、岸信夫防衛相はコトの重大さが理解できなかったのか、それとも、菅義偉首相から何らかの指示があったのか、このありがたい申し出を「拒否した」のです。そして、「国内の民間のセキュリティ会社に対応させるので問題ない」として、ナカソネ長官らを引き取らせたのです。

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