なぜマルサは大企業に入らないのか?
財務省が徴税権を持つことがどうヤバいのか、わかりやすい例をあげたいと思います。
国税庁には、マルサ(査察部)という機関があります。巨額脱税を専門に摘発する、国税で最強の機関です。
映画やテレビドラマでもたびたび取り上げられるので、ご存じの方も多いはずです。
マルサというと、巨額な脱税を暴く正義の味方というように見られることも多いようです。そして、「マルサにはタブーはない」と言われることもあります。
マルサは、どんな有力企業であろうが、政治家に関係する企業であろうが、憶せずに踏み込んでいく、と。本当にそうでしょうか?
答えは、「まったくノー」なのです。
マルサには、タブーが多々あり、むしろマルサが踏み込める領域というのは、非常に限られているのです。
このことは、税務行政の最大の汚点であり、闇だともいえます。
たとえば、あまり知られていませんが、マルサというのは、大企業には絶対に入れないのです。
信じがたいことですが、資本金1億円以上の大企業に、マルサが入ったことはほとんどないのです。つまり、マルサは、大企業には踏み込めないのです。
こんなにわかりやすい「意気地なし」はないでしょう。マルサにタブーがない、ということなど、まったくの都市伝説なのです。
なぜマルサは大企業に行かないのでしょうか?
もちろん、国税庁はその理由を用意しています。
理由もなく、大企業に入らないのであれば、誰が見てもおかしいからです。