同じような問題は2022年の党大会(中国共産党第20回全国代表大会=20大)でもあった。20大で習指導部が打ち出した最大の目玉は「中国式現代化」だった。しかし、その内容をきちんと理解している日本人は、おそらくほとんどいない。
「新たな質の高い生産力」は昨秋、習近平国家主席が黒竜江省を訪れた際に打ち出された。その要諦はイノベーションとグリーンである。ハイテク・未来産業の育成と新エネルギー・環境に注力することで「新たな領域を切り開こう」と呼びかけたのだ。
対比されるオールドエコノミーや旧式製造業を捨て去る、もしくは軽視するという話ではない。あくまでもパイの拡大の発想だ。かつてファックスや携帯電話など通信の発展が、人間社会の時間や距離を飛躍的に縮め生活を変えたように、「新たな質の高い生産力」が新たな発展空間を生み出す。勝手な想像だが、例えば核融合での発電が可能になれば、日々の生活コストは大きく変わるという話なかもしれない。
気になるのは、中国は──
(『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』2024年3月10日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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