子どもの“不自然死”には「性別と近隣の貧困要素が影響する」という研究結果

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子ども時代の自殺や他殺、事故死などの不自然死に関して、性別や近隣の影響が大きい可能性があるそうです。今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』で、都市部に居住する子どもを対象にした研究結果を紹介しています。

不自然死に関連する子ども時代の要素

◎要約:『都市部に居住する子どもの、長期的不自然死に関連する要素として男性であること、近隣の貧困状態があげられるかもしれない』

自殺や他殺、事故死等の不自然死に関して、死亡当時の様々な精神疾患や行動に関する特徴等が背景として考えられます。

今回は、中年期までの不自然死に関連する子ども時代の要素を調べた研究をご紹介します。

Childhood Factors Associated With Unnatural Death Through Midadulthood

中年期までの不自然死に関連する子ども時代の要素

都市部に居住する2,180人の子ども(平均6.3歳、女性50.0%)が対象となり、その後のデータが分析されました。

結果として、以下の内容が示されました。

・41歳までに、111人(10.2%)の男性と29人(2.7%)の女性が亡くなりました。

・上記のうち96人(全死亡の86.5%)の男性と14人(全死亡の48.3%)の女性が不自然死でした。

・女性であることは不自然死のリスクを低下させ、居住地域の近隣が福祉援助世帯であることがリスクを上昇させていました。

個人的あるいは、家族に固有の要素よりは、近隣地域の環境的要素の影響が大きい点が興味深い内容でした。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 もりさわメンタルクリニック 【発行周期】 日刊

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