“大谷ゲート事件”で、米球界が様変わりする可能性
もう一度確認しておきたいのですが、水原元通訳がどうやって大谷選手の口座を操作したのか、また、スポーツ賭博について「カリフォルニアで違法」だという意味合いでの違法性を水原元通訳が認識していたかどうかという話は、それほど重要ではありません。
ですが、水原元通訳が野球賭博にも関与していた場合、あるいは胴元との関係のために情報提供など悪質な行為に加担していたとなると、事態は非常に深刻となります。
私はその場合でも、大谷選手が処分される可能性はないと思っています。ですが、捜査は厳格を極めるでしょう。
日ハム時代以来の大谷選手と水原元通訳の関係性、会話の内容などを厳しく捜査されて、大谷選手自身も辛い経験をさせられる可能性は十分にあります。
さらに言えば、これからのMLBでは、日本人選手の通訳として、日本語が母国語の人を入れて、選手がベンチ内でその通訳と日本語で会話するというのは、周囲が警戒する可能性があります。
大谷選手に関しては、今回は通訳を入れて説明しましたが、今後は、あらゆる問題に関して、英語で自分の言葉で丁寧に説明することが求められると思います。
いずれにしても、アメリカの野球界では、この問題は最大級のスキャンダルとして取り上げられています。推移をしっかりと見極めていきたいと思います。
※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2024年3月26日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ
この記事の著者・冷泉彰彦さんのメルマガ
冷泉彰彦さんの最近の記事
- 「歴史修正抜き」「核抜き」は絶対。“もしトラ論議”で自称保守派こそが目を覚ますべき理由
- 鳥山明と小澤征爾を過小評価。日本人が「大谷翔平クラス」の偉大な2人の功績を理解できない訳
- 「 #納税するつもりはございません 」自民・塩谷立の脱税宣言を読み解く3つのカギ。戦後最大 #おまいう 舌禍の裏事情
- TSMC熊本 半導体バブルの盲点。日本大復活にあと1つ足りぬピースとは?白亜の工場が本邦経済の墓標となる恐れも
- なぜ「きれいなトランプ大統領」が誕生するのか?「もしトラ」に新ルート、ライバル白旗の裏で進む新・新世界秩序構築
【関連】大阪桐蔭の敗退で自己破産まっしぐら!? オッズ1.04倍に全財産投入?下関国際の大金星に揺れる高校野球賭博の実態
初月無料購読ですぐ読める! 3月配信済みバックナンバー
- 【Vol.527】冷泉彰彦のプリンストン通信 『もしトラ安保危機、シナリオC』(3/26)
- 【Vol.526】冷泉彰彦のプリンストン通信『「もしトラ」騒動、現状は最悪』(3/19)
- 【Vol.525】冷泉彰彦のプリンストン通信『2034年の世界を考える』(3/12)
- 【Vol.524】冷泉彰彦のプリンストン通信『2014年の世界(創刊10周年)』(3/5)
<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>
※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込880円)。
- 【Vol.523】冷泉彰彦のプリンストン通信『熊本TSMCは日本経済の墓標か』(2/27)
- 【Vol.522】冷泉彰彦のプリンストン通信『政治不信の根源は制度の問題』(2/20)
- 【Vol.521】冷泉彰彦のプリンストン通信『流転する政局、今週の状況』(2/13)
- 【Vol.520】冷泉彰彦のプリンストン通信『日米の政局、混沌の裏』(2/6)
- 【Vol.519】冷泉彰彦のプリンストン通信『月末特集、さまざまな論点』(1/30)
- 【Vol.518】冷泉彰彦のプリンストン通信『日米における民主制度の変容』(1/23)
- 【Vol.517】冷泉彰彦のプリンストン通信『誤解される能登半島地震』(1/16)
- 【Vol.516】冷泉彰彦のプリンストン通信『航空保安における90秒ルール』(1/9)
- 【Vol.515】冷泉彰彦のプリンストン通信『緊急提言、能登半島地震』(1/2)
- 【Vol.514】冷泉彰彦のプリンストン通信『地を這う日本の生産性』(12/26)
- 【Vol.513】冷泉彰彦のプリンストン通信『最近の『日本映画』3本』(12/19)
- 【Vol.512】冷泉彰彦のプリンストン通信『アメリカ政治の現実乖離』((12/12)
- 【Vol.511】冷泉彰彦のプリンストン通信『日本政治における空洞について』(12/5)
image by: Los Angeles Dodgers(@Dodgers)公式X(旧Twitter)