大谷翔平は“アメリカの罠”を克服するか?水原通訳の危険なテキストメッセージ…野球賭博の有無 最大焦点に

 

大谷を追い詰めた、アメリカ野球賭博のヤバい現状

では、どうして野球界の内部の人間が野球賭博に関与したら重罪なのかというと、具体的には3つの問題を考える必要があります。

1つは、敗退行為の可能性です。日本の場合は、1960年代に日本プロ野球を大きく揺さぶった「黒い霧事件」で有名になったのですが、要するに野球賭博の胴元が実際に野球選手に金銭を提供し、選手は意図的に試合に負けるような工作(八百長)をするということです。

要するに、胴元の方は工作を施した球団の敗退に賭けることで、賭け金を回収するわけですから、全体としては単純なイカサマということになります。

この問題は、さすがに今回の事例ではあり得ないと思います。水原元通訳はあくまで通訳であって試合に参加していないし、自分が通訳兼マネージャーのような密接な関係にあったからといって、ほかでもない大谷選手を使って敗退行為を工作するというのは、どう考えても不可能です。

2つ目は、内部の人間だけが知り得た情報によって自分が賭ける行為になります。ベンチ内にいて、明らかに自分だけが知りうる情報に基づいて賭けており、その結果として賭けに勝っていたのならば、これは悪質なインチキです。

ただ、違法カジノであれ、ログデータは残っているはずで、確認はできるでしょう。もしも発覚すれば永久追放は免れません。

3つ目は、内部情報の提供です。今回の問題における可能性としてはこちらであり、恐らくFBIも、そしてMLBも厳格な捜査を行うことになると思います。

その前提として、現代アメリカのネット野球賭博の仕組みは非常に高度だという点があります。勝敗に賭けることもできますが、もっと細かい試合の経過や選手個人の成績も賭けの対象となっているのです。例えばですが、

「豪速球のゲリット・コール投手と、ホームランバッターのブライス・ハーパーが本日すでに2回対戦して2打数1安打1三振でしたが、次の打席に本塁打が出ると賭けて当たれば賭け金が317%になります」

とか、同じ状況で、

「次はハーパーが三振すると賭けて、三振したら289%です。おっと、第一球はボールでした。では、312%にアップです」

という具合(数字を含めてあくまで架空の例)です。

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