岸田政権下で9,000カ所を超えてしまった子ども食堂
申し込み状況を見て、調理責任者がいつもより多めに食材を用意していたので何とかなりましたが、増えたのは小学生が9割、中学生が1割でした。結局、この状況は、夏休みの間ずっと続きました。そして、2学期が始まる9月になると、増えていた小学生と中学生は来なくなり、それまで通り、小学生以下の子どもたちがメインの50人前後に戻ったのです。
子どもの数はジワジワと増えつつも、昨年12月までは50人台でした。これが大きく変化したのが、昨年の年末が近づいて来た時です。夏休み前と同じように申し込み者がバタバタと増え、あっという間に70人台になったのです。そして、それは年が明けて今年になってからも変わらず、毎週、平均して70人前後が来るようになりました。
先月7月に入ると、去年と同じように申し込み者が急増し、一気に120人を超えました。ここの子ども食堂は、一緒に来た親や兄弟も希望すれば食事を提供しているので、夏休みに入った先々週の7月25日には、この日のメニューのチキンカレーを140人分も用意しました。しかし、それでも足りなくなり、最後はフードパントリーのレトルトカレーで対応しました。
…そんなわけで、民主党政権下ではゼロだった子ども食堂ですが、7年8カ月に及んだ第2次安倍政権下では、全国6,000カ所にまで拡大しました。これは当時の安倍首相が、毎年増額する防衛予算の穴埋めのために、生活保護の母子加算の削減など福祉予算を削りまくったことも一因と見られています。
現在の岸田政権になってからも子ども食堂は絶賛急増中で、昨年1年だけでも約1,700カ所も増え、昨年末には全国で9,000カ所を超えてしまいました。そして、今年に入ってからも増え続けているのですから、それだけニーズがある、つまり、それだけ生活に困窮している子育て家庭が増えているということでしょう。
これはあくまでも、あたしがお手伝いしている子ども食堂の状況ですが、利用者の大半はシングルマザー家庭の子どもたちです。あたしがお手伝いしている子ども食堂は毎週木曜日ですが、仲良くなったママさんに聞いたところ、月曜はあっちの子ども食堂、火曜はこっちの子ども食堂と、複数の子ども食堂をカケモチして利用していると言っていました。
困窮家庭の支援を民間に丸投げする自民党政権
現在、全国のシングルマザー家庭は約120万世帯で、その半数が生活に困窮しています。そして、1世帯に子ども1人としても、約60万人の子どもが1日3食を食べられない「悲しい夏休み」がやって来ました。しかし、そうした子どもたちを1人でも多く救おうと最前線でがんばっているのは、政府でもなく、岸田首相が鳴り物入りで設立した「こども家庭庁」でもなく、あたしたち民間人なのです。
そして、恥も外聞もない自民党の国会議員たちは、自国の子どもたちの貧困問題をあたしたち民間人の善意に丸投げしたまま、国民から巻き上げた税金を使って「海外視察」という名の夏のバカンスを楽しんでいるのです。自民党議員の海外視察の実体は、エッフェル姉さんの一件で周知されましたが、この夏も自民党の裏金議員たちは、何と百人以上が性懲りもなく海外へ遊びに行くのです。本当に納税するのがバカバカしくなる今日この頃です。
(『きっこのメルマガ』2024年8月7日号より一部抜粋・文中敬称略)
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