唯一まともだった地方の高校教育が破壊されようとしている
憲法における教育は義務であって権利ではないなどというツッコミはこの際、やめていただきたいと思います。13条にある幸福追求の権利の中には、教育を受ける権利も含まれるからです。
そのうえで、唯一マトモであった地方各県の県立高校での教育が、
「補習の禁止による塾の進出、私立の人気化という悪魔のセット」
によって破壊されようとしているのです。
とにかく、この地方格差がまず憲法違反であり、その格差を直さずに、さらに悪い方向にシフトしようとしている今回の高校授業料無償化というのは、やはり間違いだと思います。
もっと原則に戻るのであれば、高等学校教育を都道府県に振ったために、かえって国による標準化ができなかったとも言えます。その結果として地方によりバラバラの教育行政が行われたことも間違いの一因だと思います。
いずれにしても、丸山知事の「国賊」発言には、非常に重たいものがあると思います。正確に理解して、大局観のある議論を行ったうえで、全国的な観点で最善手に進むべきと思います。
※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2025年3月25日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。今週のメインコラム「大都市ニューヨークの変容」や連載コラム「フラッシュバック80」、読者Q&Aコーナーもすぐ読めます
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