大阪の犠牲になるニッポン。高校授業料「無償化」で逆に教育格差が広がる理由とは?

 

唯一まともだった地方の高校教育が破壊されようとしている

憲法における教育は義務であって権利ではないなどというツッコミはこの際、やめていただきたいと思います。13条にある幸福追求の権利の中には、教育を受ける権利も含まれるからです。

そのうえで、唯一マトモであった地方各県の県立高校での教育が

「補習の禁止による塾の進出、私立の人気化という悪魔のセット」

によって破壊されようとしているのです。

とにかく、この地方格差がまず憲法違反であり、その格差を直さずに、さらに悪い方向にシフトしようとしている今回の高校授業料無償化というのは、やはり間違いだと思います。

もっと原則に戻るのであれば、高等学校教育を都道府県に振ったために、かえって国による標準化ができなかったとも言えます。その結果として地方によりバラバラの教育行政が行われたことも間違いの一因だと思います。

いずれにしても、丸山知事の「国賊」発言には、非常に重たいものがあると思います。正確に理解して、大局観のある議論を行ったうえで、全国的な観点で最善手に進むべきと思います。

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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