なぜJTC(日本の伝統的大企業)は「無駄な会議」が好きなのか?わが国最大の暗部を徹底解剖!攻略法をマスターして同期に差をつけよう

 

JTCで働き苦しんでいる人には「3つの選択肢」がある

第三者の目からみれば、悪事は全部ゲロして当局に怒られて、しかるべき罰金を払ってでも、そうした「勝手な進め方」を清算して、標準化と自動化もしくは外注化をしたほうが結局はずっと安くつくケースは多いと思います。

ですが、それをやってしまうと、先輩たちの罪状を暴き、名誉を奪うことになるので無理――これもJTCあるあるだと思います。

ちなみに、IT部門の場合などは、脱法的な勝手路線でケチるというよりも、大人の事情で効率化できないという事情もありそうです。合併したら、顧客データベースも商品データベースも統合して、新システムでスッキリなどという「合理的な」経営はできないので、2つの会社のメインフレームを維持するなどの場合です。その場合は、だましだましデータのコンバートをかけてつなぐわけで、いつまでたっても効率化はできないし、例外的な処理を延々と続けることになります。

さて、今回はこのあたりにしておきますが、最後にもう一度整理してみましょう。

Q:「JTCでの資料作成にはどうして何度もダメ出しがされるのか?」
A:「読む人、つまり上司や経営陣に前提となるスキルが不足しているから

Q:「JTCでは、どうして会議のための会議が多いのか?」
A:「会議がガチンコの決定機関ではなく、儀式だから

Q:「JTCではどうして大勢が黙っている会議が多いのか?」
A:「スキルと知識のある人には発言権がなく、無能な上司だけが喋って権力を誇示する場だから

Q:「JTCでは、どうして他社で通用しない企業独自のスキルしか身につかないのか?」
A:「JTCの多くは違法スレスレ、または違法な業務、あるいは大人の事情で切れない部分を抱えており、これを変革できないから

単純化しすぎの印象もあるかもしれませんが、多くの場合はこれらの法則に当てはまると思います。

では、このようなJTCあるあるの「恐ろしい原因と構造」に自分が直面した場合にはどうしたら良いのでしょうか?多分、その先は3択なのだと思います。

  1. 一刻も早く逃げる
  2. 戦略戦術を練り、同志を集めて権力を奪取して企業を改革する
  3. 専門分野のキャリアに徹して、ヤバい部分には関与しないようにする

この3点からの選択になるのではないでしょうか?

※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2025年5月13日号「JTCの謎、しっかり解けば問題が見えてくる」の抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。今週の論点「何とかならないのか絶望的な鉄道の工期」もすぐに読めます。

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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