何の牽制にもならない「天下り公表制度」
外資系企業に天下りした岡本薫明氏や山崎達雄氏は、秘密裏に天下りしているわけではありません。 彼らの天下り状況は、誰でも調べようと思えばすぐに調べられるのです。 筆者がなぜ彼らが外資系企業に天下りしたことを知っているのかというと、現在の日本では「公務員の再就職先の公表制度」があるからです。 「公務員の再就職先の公表制度」というのは、各省庁の幹部が退職後に再就職する場合は、退職後2年間の再就職先については公表するという制度です。
だから、各省庁幹部の再就職先はインターネットなどで簡単に知ることができるし、ウィキペディアにも掲載されています。 筆者が恐ろしく感じたのは、岡本薫明氏や山崎達雄氏は外資系企業に再就職することが公表されると知っていながら、平気で天下りしたということです。 岡本薫明氏や山崎達雄氏は、モラルがないだけではなく、国民を完全になめているということです。
自分が外資系企業に天下りしても、国民は気づかないだろうし、文句は出てこないだろうと踏んでいたのです。 いかに財務省キャリア官僚が、やりたい放題のことをしているか、ということです。 「自分たちは何をやっても許される」と思っているのです。
そしてもっと怖いのが「公務員の再就職先の公表制度」が何の役にも立っていないことです。 この公表制度は、官僚幹部たちの天下りを牽制する目的でつくられたものです。 この公表制度があるために、国は「日本の天下りは厳しく規制されている」などとのたまっているのです。 しかし、彼らの外資系への天下りが公表されても、政治家は何も文句は言わず、マスコミはまったく報道しなかったのです。
財務省の最高幹部の外資系への天下りなどというのは、天下りの中でも最悪のものであり、社会を挙げて糾弾せねばならないことです。 にもかかわらず、誰も何も言わないのです。 「公務員の再就職先の公表制度」は何の役にも立っていないと同時に、日本には、もはや官僚を制御するシステムがまったくないということなのです。
現在の官僚幹部の天下り制度とは?
今、日本で行われている官僚幹部の天下り制度を整理しておきましょう。 国が行なっている「天下り規制」は、下の次の4点です。
- 総理大臣への届け出 退官後、2年間は再就職先を総理大臣に届け出る義務。 しかし総理大臣の許可が必要なわけでなく、ただ事後に届け出るだけなので何の効果もない
- 公務員の再就職先の公表制度 退官後、2年間は再就職先が公表される。 しかし公表されるだけであり政治家もマスコミも何も言わないので何の効果もない
- 官民人材交流センターの一元管理 官僚の再就職を官民人材センターが一元管理する制度。 これはほとんど実績がないまま事実上の廃止
- 再就職等監視委員会の監視 官僚幹部の再就職が妥当なものか指摘をする制度。 しかし指摘するのは「省庁の組織的なあっせん行為」などだけであり、官僚一人一人の再就職先の是非については追及していないので、事実上効果なし
このように、この4つの規制は、何の規制にもなっていないのです。 つまり、今の日本の制度では、天下りについて何の規制もないということです。
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